コラム・調査レポート

2026.09.30

コラム

POSデータで読み解く消費行動② ― 台風接近時に市場で求められるものとは ―

日本経済新聞社では、日本全国のスーパーや小売店、ドラッグストア、コンビニエンスストアなどから、独自にPOSデータを収集・蓄積しています。

せっかく大量の定量データがあるのであれば、もっと活用しない手はありません。そこで今回も、日経の社員である著者自身が身近なテーマを題材に分析を行い、その結果をご紹介します。

本シリーズでは、「POSデータを活用した需要予測」をテーマに、日経が保有するデータだからこそ見えてくる市場の動きを分析しています。
これまで、第1弾では「気温」、第2弾では「景気」、第3弾では「原油価格」と売上の関係について分析してきました。

今回は「台風」をテーマとして取り上げます。
日本では毎年夏から秋にかけて多くの台風が発生し、その接近や上陸に関する情報が繰り返し報じられています。そのたびに私たちは飲料や食料品、生活用品を買い足し、さまざまな備えを行っています。
しかし実際には、どのような商品が市場で選ばれているのでしょうか。さらに、同じ台風であっても地域によって市場の反応は異なるのでしょうか。

今回は日経POSデータを活用し、「台風接近時に市場は何を買い始めるのか」というテーマで分析を行います。

なお、本コラムは分析の専門家向けではなく、データ分析の経験が少ない方にもイメージを持っていただけるよう、分析プロセスをできるだけ分かりやすく説明しながら進めていきます。

1. 今回のテーマについて

前回のコラムでは、原油価格の変動と売上の関係について分析を行いました。原油価格は物流コストや商品価格を通じて市場へ影響を与えますが、需要予測で活用される外部要因はそれだけではありません。

代表的な外部要因としては気温や景気、物価などが挙げられます。一方で、それらとは異なる性質を持つ外部要因として存在するのが災害です。特に日本では、毎年のように台風が発生し、強風や大雨、停電、交通機関の乱れ、物流の停滞などが懸念されます。

一般的には、ミネラルウォーターやカップ麺、レトルト食品、缶詰などの保存食が売れるイメージがあります。しかし、実際に市場で売上が伸びている商品は本当にそれだけなのでしょうか。
また、「災害への備え」という需要だけではなく、「外出しにくくなることへの備え」「日常生活を維持するための備え」など、異なる種類の需要が存在している可能性もあります。

そこで今回は、2022年から2025年までの台風シーズンを対象に、商品大分類単位で売上変化を分析し、『市場は台風接近時に何を買い始めるのか』を整理していきます。

今回は特定の台風を事例として見るのではなく、複数年・複数台風のデータを活用することで、市場に共通して見られる反応と、地域ごとの違いの両方を把握することを目指します。

2. 使用データ

今回の分析では、主に以下2種類のデータを活用しています。

  • 売上データ:日経が保有するPOSデータの地域×大分類別の「千人あたり金額」(週次)
    • 「千人あたり金額」は、千人の客が来店したときに、その商品がいくら売れたかを示します。地域・業態の規模や収録店舗数の変動に関係なく、商品の売れ行きを計ることができる指標です。
      • 算出式:対象店舗・期間での販売金額合計÷対象店舗・期間の来店客数合計×1,000
    • 今回の分析においては、商品単品等ではなく大分類(218分類)別に集計しています。
    • 分析対象期間は2022年7月から2025年9月までの3年間としました。
  • 気象データ:台風接近情報
    • 気象庁が公開している台風情報(気象庁|台風経路図)をもとに、著者が地域別の台風接近データを作成しました。
    • 各台風について、どの地域に接近・通過したのかを整理し、地域ごとの台風イベントとして定義しています。
    • 今回は個別の台風を対象にするのではなく、2022年から2025年までに発生した複数の台風を対象としました。
    • 地域別の台風接近データとPOSデータを組み合わせることで、「台風接近時に市場で共通して発生する需要」を確認します。

  • 分析に利用したデータ
    • POSデータ(地域×商品大分類×週)
      • 販売金額
      • 来店客数
      • 千人当たり金額
    • 台風接近データ(地域×台風イベント)
      • 気象庁が公開している台風情報(気象庁|台風経路図)をもとに、著者が地域別の台風接近データを作成しています。
      • 各台風について、どの地域に接近・通過したのかを整理し、地域ごとの台風接近週を定義しています。
  • 分析に活用した数表
    • 地域×商品大分類×週をキーとして、販売金額、来店客数、台風イベント情報を紐づけています。
    • 販売金額と来店客数から、以下の式で千人当たり金額を算出しています。
      • 千人当たり金額 = 販売金額 ÷ 来店客数 × 1,000
    • 台風イベント情報は、地域・週ごとに「台風接近週」「通常週」を判定しています。
    • 利用したデータのイメージ(例)

※ 表は左右にスクロール出来ます。

地域 商品分類 週 販売金額 来店客数 千人当たり
金額
台風接近
九州 731 電池 2024年
第35週
280万円 10万人 2,800円 あり
九州 731 電池 2024年
第36週
430万円 10万人 4,300円 なし
首都圏 137 即席
カップめん
2024年
第35週
1,520万円 10万人 15,200円 あり
首都圏 137 即席
カップめん
2024年
第36週
1,480万円 10万人 14,800円 なし
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

※数値はイメージです。

3. 分析におけるポイント

今回の分析で重要になるのは、「個別の台風」ではなく「台風接近というイベント」に着目することです。

例えば2024年の特定の台風で売上が増加した商品を確認することはできます。しかし、それだけでは一時的な現象なのか、台風時に共通して発生する需要なのかを判断することはできません。

そこで今回は、2022年から2025年までの複数年・複数台風のデータを活用し、

台風が接近した週に共通して見られる市場の反応

を確認します。

また、台風の影響は地域によって異なります。同じ台風でも影響を受ける地域と受けない地域が存在するため、地域単位で台風イベントを整理し、それぞれの地域で売上がどのように変化したのかも確認します。

さらに、7月から9月は飲料やアイスなど夏季特有の需要が発生する時期です。年間比較では季節要因の影響が大きくなるため、本分析では同じ時期のデータ同士を比較し、季節要因の影響をできるだけ抑えています。

なお、本分析では地域・商品大分類・年ごとに非台風週の通常時売上水準を算出し、各台風イベントの売上との比較を行っています。また、売上変化率は台風イベントごとに算出し、その結果を集計して分析しています。

また分析結果を評価する際には、売上変化率の平均値だけでなく中央値も確認します。平均値は全体の変化を把握しやすい一方、一部の大型台風による大きな変動の影響を受けることがあります。そのため本分析では中央値も併せて確認し、複数の台風で共通して需要が発生しているのか、それとも一部の台風でのみ大きく増加したのかを判断します。

4. 分析方法

本分析では、2022年から2025年の7月から9月を対象に、地域ごとに「台風接近週」と「通常週」を定義しました。

台風接近週とは、その地域において台風の接近や通過が確認された週です。一方、通常週は台風の影響を受けていない週としました。

① 売上指標の作成

地域によって来店客数が異なるため、単純な売上金額ではなく、

販売金額 ÷ 来店客数 × 1,000

で算出した「千人当たり売上金額」を利用しました。

② 通常時の売上水準を算出

台風が発生した年ごとに比較条件を揃えるため、地域・商品大分類・年ごとに、その年の7月から9月の非台風週を集計し、通常時の千人当たり売上金額を算出しました。

例えば2024年の台風イベントは2024年の非台風週、2025年の台風イベントは2025年の非台風週と比較しています。

これにより、飲料やアイスなど夏季特有の需要に加え、年ごとの価格水準や消費動向の違いによる影響をできるだけ抑えています。

③ 台風イベントごとの売上変化率を算出

各台風イベントについて、

台風週の千人当たり売上金額 ÷ 同じ年の通常時千人当たり売上金額 − 1

を売上変化率として算出しました。

④ 複数の台風イベントを集計

各台風イベントについて売上変化率を算出した後、商品ごとに結果を集計し、

  • 平均変化率:各台風イベントの変化率の平均
  • 変化率中央値:各台風イベントの変化率の中央値

を算出しました。

例えば、2022~2025年に観測された複数の台風イベントについて、それぞれ変化率を求め、その結果を平均・中央値として集計しています。

5. 分析結果(台風接近時に売上が伸びた商品)

ここでは、台風接近週と通常週を比較し、売上増加率が大きかった商品を確認します。

なお、3章でも記載したとおり、本分析では売上変化率の平均値だけでなく変化率中央値もあわせて確認しています。平均変化率は全体傾向を把握するのに適していますが、一部の台風イベントによる影響を受ける場合があるためです。そのため、変化率中央値も参考として掲載し、複数の台風で共通して発生した需要かどうかを確認します。

集計の結果、売上が増加した商品は大きく「備蓄需要型」「巣ごもり需要型」「生活維持需要型」「想定外需要型」の4つに分類できました。

5-1. 備蓄需要型

まず目立ったのは、防災備蓄に関連すると考えられる商品群です。

特に電池は平均変化率34.9%増となり、全カテゴリの中でも高い伸びを示しました。変化率中央値も14.8%増となっており、一部の大型台風だけではなく、複数回の台風で継続的に需要が高まっていることが確認できます。

■ 表5-1 備蓄需要型商品の売上変化率

商品カテゴリ 平均変化率 (参考)変化率中央値
電池 +34.9% +14.8%
乾めん +13.4% +22.8%
即席カップめん +11.8% +7.2%
畜肉缶詰 +10.5% +7.9%
即席袋めん +10.1% +5.2%
水 +7.5% +7.1%
即席食品 +8.9% +3.2%
カレー +6.7% +2.3%

即席麺類や乾めん、水、缶詰など長期保存が可能な食品が上位に並んでいます。また、停電時に使用する電池が大きく伸びていることからも、台風接近時には食料と生活必需品を事前に確保する行動が広く見られることが分かります。

特に乾めんは平均変化率だけでなく変化率中央値も22.8%増と高く、複数の台風で安定して需要が高まる傾向が確認できました。

5-2. 巣ごもり需要型

次に、外出を控えて自宅で過ごすことへの備えとして購入されたと考えられる商品群です。

酒類や菓子類が上位に入り、台風による在宅時間の増加が消費行動に影響している可能性がうかがえます。

■ 表5-2 巣ごもり需要型商品の売上変化率

商品カテゴリ 平均変化率 (参考)変化率中央値
ビール +14.3% +4.3%
リキュール +8.6% +5.7%
豆菓子・いかり豆 +7.6% +5.3%
日本酒 +6.9% +9.3%
スナック菓子 +6.7% +4.8%
ウイスキー・ブランデー類 +6.5% +9.4%
ワイン +5.9% +7.1%
カクテルドリンク類 +6.0% +2.7%

特に酒類は複数のカテゴリーで共通して売上が伸びており、外出機会の減少に伴う「家飲み需要」が発生している可能性があります。

日本酒やウイスキー・ブランデー類は中央値も比較的高く、複数の台風で共通して需要が発生していたことがうかがえます。

5-3. 生活維持需要型

災害への備えというよりも、日常生活を継続するために必要な商品の事前購入も確認できました。

■ 表5-3 生活維持需要型商品の売上変化率

商品カテゴリ 平均変化率 (参考)変化率中央値
使い切り食器 +13.1% ▲1.8%
ベビー食事用品 +9.9% +6.9%
携帯用サニタリーセット +7.0% +3.4%
避妊用品 +6.7% +7.4%

使い切り食器や衛生関連用品などは、停電や断水、物流停滞などを見越して購入された可能性があります。また、ベビー用品も増加しており、乳幼児がいる家庭ほど早めの備えを行っていることが示唆されます。

一方、使い切り食器は平均変化率が高いものの中央値はマイナスとなっており、一部の台風イベントで大きく売上が伸びた結果である可能性も考えられます。

5-4. 想定外需要型

一方で、一般的な防災需要では説明しにくいカテゴリーも上位に現れました。

■ 表5-4 想定外需要型商品の売上変化率

商品カテゴリ 平均変化率 (参考)変化率中央値
食品ギフトセット・商品券 +42.2% +56.3%
雑貨品 +35.6% ▲4.5%
消耗家庭用品ギフトセット +34.2% +15.2%
絵画用品 +31.3% +7.5%
和菓子 +17.7% +4.5%

特に食品ギフトセット・商品券は平均変化率だけでなく変化率中央値も56.3%増と非常に高く、複数の台風イベントで売上増加が確認されました。また、消耗家庭用品ギフトセットや絵画用品も比較的高い中央値を示しています。

ただし、これらの商品については防災需要との直接的な関係を説明しにくい面もあります。食品ギフトセット・商品券や消耗家庭用品ギフトセットについては、お中元などの季節ギフト需要や販促施策の影響を受けている可能性があります。

また、雑貨品は平均変化率35.6%増と高い一方で、変化率中央値はマイナスとなっていました。これは一部の台風イベントで売上が大きく増加したことで平均値が押し上げられた可能性を示しています。

この結果から、季節要因や販促施策による需要増加と、台風による需要増加が混在している可能性が考えられます。そのため、これらの商品については台風による影響と断定するのではなく、個別の商品特性や季節要因も踏まえて慎重に評価する必要があります。

6. 分析結果(地域別比較)

台風は全国に同時に影響を与えるわけではありません。

そこで次に、地域別に売上変化を確認します。

全国で共通して売上が伸びる商品がある一方で、地域ごとに特徴的な動きを示す商品も存在する可能性があります。

地域差を確認することで、市場の備え方に違いがあるのかを整理します。

なお、本章では一定数の台風イベントが観測された地域を対象に分析を行いました。対象期間中、北海道では台風イベントが1件、東北では3件と少なく、結果が個別イベントの影響を受けやすいため、地域比較分析からは除外しています。

そのため、本章では北陸、関東外郭、首都圏、中京、近畿、中国、四国、九州の8地域を対象に比較を行います。

6-1. 全国共通で売上が伸びた商品

地域別に確認しても、多くの地域で共通して売上増加がみられる商品がありました。

特に5章でも高い伸びを示した電池は、すべての地域で売上が増加しており、台風接近時の代表的な備蓄商品であることが改めて確認できます。

■ 表6-1 全国的に売上が伸びた商品の地域別平均変化率

商品カテゴリ 北陸 関東外郭 首都圏 中京 近畿 中国 四国 九州
電池 +35.7% +11.3% +18.6% +26.5% +47.0% +41.0% +30.5% +76.6%
乾めん ▲67.5% +24.2% +12.9% +4.3% +18.0% +8.9% +9.9% +1.5%
即席カップめん +20.8% ▲4.1% +4.6% +6.3% +10.2% +10.6% +13.1% +36.7%
即席袋めん +56.6% +1.9% +5.8% +10.4% +12.2% +7.7% +15.0% +22.8%
畜肉缶詰 +3.3% ▲2.2% +7.3% +10.1% +9.0% +21.0% +9.3% +20.0%

電池は九州で76.6%増、近畿で47.0%増、中国で41.0%増となるなど、多くの地域で大きな売上増加が確認されました。

また、即席麺類や乾めん、缶詰類など保存性の高い食品についても複数地域で売上が伸びており、食料備蓄需要が全国的に発生していることが分かります。地域による差はあるものの、防災関連商品の需要は全国共通の傾向として確認されました。

6-2. 地域差が見られた商品

一方で、地域別の全大分類を確認すると、同じ商品でも地域によって売上の動きが異なるケースが見られました。

■ 表6-2 地域差が見られた商品の地域別平均変化率

商品
カテゴリ
北陸 関東外郭 首都圏 中京 近畿 中国 四国 九州
水 ▲7.7% +0.5% +7.4% +5.5% +1.4% +5.6% +4.6% +17.2%
ビール ▲2.3% +24.0% +10.8% +8.2% +0.1% +13.3% +2.6% +1.6%
ベビー食事用品 – +10.7% ▲2.5% +2.2% ▲2.2% +28.7% ▲9.2% +2.3%
洗濯・物干し用品 ▲0.3% ▲1.7% +4.7% ▲1.5% ▲0.6% +7.5% +18.4% ▲4.8%

全国分析で7.5%増となった水は、九州では17.2%増となった一方、北陸では7.7%減となりました。多くの地域では小幅な増加がみられましたが、電池のように各地域で大きく伸びたわけではありません。

ビールも、関東外郭では24.0%増、中国では13.3%増、首都圏では10.8%増となった一方、近畿や九州ではほぼ横ばいでした。在宅時間の増加に伴う需要が考えられる商品でも、地域によって反応の大きさが異なることが分かります。

生活維持に関係する商品にも地域差がみられました。ベビー食事用品は中国で28.7%増、関東外郭で10.7%増となった一方、四国では9.2%減となりました。洗濯・物干し用品も四国で18.4%増、中国で7.5%増となりましたが、九州では4.8%減となっています。

このように、商品によっては地域差が非常に大きく、単一の市場反応として捉えることが難しいケースも確認されました。こうした差には地域ごとの消費行動の違いだけでなく、台風の進路や規模、発生時期の違いも影響している可能性があります。

6-3. 地域別にみた備え方の違い

地域別比較からは、全国共通でみられた備蓄需要に加え、地域ごとに特徴的な商品構成も確認できました。

■ 表6-3 地域別にみられた特徴的な商品

地域 特徴的な商品 特徴
北陸 電池、即席袋めん 保存性の高い食品需要が比較的強い
関東外郭 ビール、和菓子 備蓄以外の商品も伸長
首都圏 電池、ビール、水 防災需要と在宅需要の両方がみられる
中京 電池、即席食品、ビール 備蓄需要が中心
近畿 電池、乾めん、即席袋めん 保存食品需要が強い
中国 電池、畜肉缶詰、ビール 備蓄需要と在宅需要が併存
四国 電池、即席袋めん、水 備蓄関連商品の増加が中心
九州 電池、即席カップめん、水 防災備蓄需要が特に強い

九州や近畿、北陸では、電池や即席麺類など保存性の高い商品の伸びが目立ちました。特に九州では、電池や即席カップめん、水など防災備蓄に関連する商品の増加が大きく、台風接近時の事前準備が強く表れていました。

一方、関東外郭や首都圏、中国では、ビールなど巣ごもり需要と考えられる商品の伸びも確認されました。

このように、台風接近時には全国共通の備蓄需要がみられる一方で、地域によって強く反応する商品の種類には違いがあることが分かりました。ただし、今回の分析では地域ごとに対象となる台風イベントが異なるため、こうした差には地域特性だけでなく、台風の規模や進路の違いも含まれている可能性があります。

7. 分析で得られた成果

今回の分析では、台風接近時の需要は一様ではなく、商品ごとに異なる反応パターンを示すことが確認できました。

電池や即席麺類、缶詰類などは多くの地域で共通して売上が伸びており、台風接近時の代表的な備蓄需要であることが確認されました。一方で、水や酒類などは地域によって売上変化の大きさが異なり、商品によって台風への反応が異なることも分かりました。

需要予測の観点では、「台風が来ると売れる商品」を把握するだけでなく、「商品ごとに台風への反応の仕方が異なる」ことを理解することが重要です。

同じ台風であっても、全国的に反応する商品と、地域によって反応の大きさが異なる商品が存在します。今回の分析は、そうした違いをPOSデータから定量的に捉えられることを示した事例といえるでしょう。

今回の分析では、台風接近時に市場でどのような商品が購入されているのかを確認しました。

分析の結果、電池や即席麺類のように多くの地域で共通して売上が伸びる商品がある一方、水のように地域によって反応が異なる商品も確認されました。また、防災用品だけでなく、酒類や生活関連商品にも需要増加がみられ、台風時の購買行動が想像以上に多様であることが分かりました。

POSデータは、「何が売れたのか」だけでなく、「どのような場面で売れたのか」を読み解くことができます。今後も日経POSデータを活用しながら、市場の動きや消費行動の特徴を読み解いていきたいと思います。

サービスに関するお問い合わせ、
御見積りやデモ、
資料請求ご希望の方はこちら