お知らせ
2016.09.30
POS EYES
POS EYES、新たにドラッグストアデータ収録
日本経済新聞社は9月中旬、日経POS(販売時点情報管理)情報のサービスを刷新し、情報対象として従来から提供しているスーパー、コンビニエンスストアにドラッグストアを追加した。
その背景には、一般用医薬品(大衆薬)だけでなく食品や日用品を扱うドラッグストアが快走を続け、スーパー、コンビニの金城湯池に攻勢を強めていることがある。日本チェーンドラッグストア協会が2015年度に実施した「日本のドラッグストア実態調査」によると、全国447社のドラッグストアで食品や家庭・衣料雑貨、健康食品などの推定売上高は前年度比3%増の1兆5476億円となった。
スーパー、コンビニ、ドラッグストアという「新POS・3本の矢」を活用することで、データ収集やマーケティング分析は一段と深化する。
その背景には、一般用医薬品(大衆薬)だけでなく食品や日用品を扱うドラッグストアが快走を続け、スーパー、コンビニの金城湯池に攻勢を強めていることがある。日本チェーンドラッグストア協会が2015年度に実施した「日本のドラッグストア実態調査」によると、全国447社のドラッグストアで食品や家庭・衣料雑貨、健康食品などの推定売上高は前年度比3%増の1兆5476億円となった。
スーパー、コンビニ、ドラッグストアという「新POS・3本の矢」を活用することで、データ収集やマーケティング分析は一段と深化する。
業態で異なる売れ筋商品
同協会によると、15年度の全国のドラッグストアの全国推定総売上高は6兆1325 億円。商品分類別で最も大きいのは医薬品で、3割強の1兆9664億円を占める。医薬品に次ぐのは「その他」扱いの食品、家庭雑貨などで、既に化粧品(1兆2972 億円)などを上回る。今回日経POS情報が追加したのは全国350店のドラッグストアが提供する食品、日用品のデータで、サービスの利用者は地域別の集計データも利用できる。
ドラッグストアが日経POS情報に加わることで、データ収集やマーケティング分析は飛躍的にレベルアップする。チョコレートを例に比較してみよう。
今年7月のスーパーの来店客千人当たり販売金額は9813円。ドラッグストアは9419円で、スーパーに分がある。ところが来店客千人当たり販売個数で比較するとスーパーの68個に対し、ドラッグストアは69個で逆転する。売れ筋商品が全く異なるためだ。
ドラッグストアが日経POS情報に加わることで、データ収集やマーケティング分析は飛躍的にレベルアップする。チョコレートを例に比較してみよう。
今年7月のスーパーの来店客千人当たり販売金額は9813円。ドラッグストアは9419円で、スーパーに分がある。ところが来店客千人当たり販売個数で比較するとスーパーの68個に対し、ドラッグストアは69個で逆転する。売れ筋商品が全く異なるためだ。
売り上げ拡大の品揃えへ
特定商品が置かれている店舗の比率を示す「カバー率」でも大きな差があることがわかる。日経POS情報の7月のデータによると、スーパーで最も売れているチョコレートのカバー率は85%、売り上げ2位の商品も98%と高い。
一方、ドラッグストアで最も売れているチョコレートのカバー率は69%に過ぎず、2位の商品も73%止まりだ。ドラッグストアは医薬品や化粧品のついでにチョコレートを買い求める顧客も多いとみられる。日経POS情報を活用してチョコレートの品揃(ぞろ)えを工夫すれば、それだけ売り上げを伸ばせる余地が大きいといえる。
一方、ドラッグストアで最も売れているチョコレートのカバー率は69%に過ぎず、2位の商品も73%止まりだ。ドラッグストアは医薬品や化粧品のついでにチョコレートを買い求める顧客も多いとみられる。日経POS情報を活用してチョコレートの品揃(ぞろ)えを工夫すれば、それだけ売り上げを伸ばせる余地が大きいといえる。
新たな切り口が見える
来店客千人当たりの月別販売個数を昨年8月から今年7月まで比較してみると、新たな発見もある。ほぼ年間を通じ、ドラッグストアの販売個数がスーパーを上回るが、2月だけスーパーが逆転する。2月はバレンタインデーに向けた商戦が盛り上がるが、スーパー各社は特設売り場を設けたり、友達にチョコレートを贈る「友チョコ」の手作りキットを店頭に並べたりするなど需要喚起に躍起だ。バレンタイン商戦ではドラッグストアより一日の長があるようだ。
家庭用品でもドラッグストアのデータ分析は強力な援軍となる。例えば柔軟仕上げ剤の7月の来店客千人当たり販売金額はスーパーが3036円に対し、ドラッグストアはその7倍強の2万2224 円。洗剤メーカーの営業・マーケティング戦略を大きく左右する情報だ。家庭用品のメーカー別売り上げやシェア争いについてのデータ分析も従来に比べてより実態に迫ることができる。
スーパーとコンビニ、ドラッグストアの顧客争奪戦が激化するなか、競合するライバルの販売チャネルや売れ筋を多角的に分析することで、新たな視点や切り口などマーケティングのヒントが生まれるかもしれない。
家庭用品でもドラッグストアのデータ分析は強力な援軍となる。例えば柔軟仕上げ剤の7月の来店客千人当たり販売金額はスーパーが3036円に対し、ドラッグストアはその7倍強の2万2224 円。洗剤メーカーの営業・マーケティング戦略を大きく左右する情報だ。家庭用品のメーカー別売り上げやシェア争いについてのデータ分析も従来に比べてより実態に迫ることができる。
スーパーとコンビニ、ドラッグストアの顧客争奪戦が激化するなか、競合するライバルの販売チャネルや売れ筋を多角的に分析することで、新たな視点や切り口などマーケティングのヒントが生まれるかもしれない。
(本記事は2016年9月28日付 日経MJに掲載された内容を再録しました)