コラム・調査レポート

2026.04.17

家庭用品

2026年3月 「トイレットペーパー」と「ラップフィルム」に見る、消費者の動き

 米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始し、ホルムズ海峡が実質的な封鎖状態となったことが、日用品の販売動向に影響を与えている。攻撃開始の2026年2月28日からの約1カ月半を、日経POSデータ、日経テレコンの新聞トレンドで振り返ってみよう。

 2026年3月、スーパーマーケット、ドラッグストアともに千人当り金額が急増したのが大分類「日用紙製品」「調理・キッチン用品」だ。スーパーマーケットの数値をみると、なかでも小分類「トイレットペーパー」は前年同月比24%増、食品用ラップを含む「ラップフィルム」は14%増と、いずれも直近5年で最も高い水準となった。千人当り個数についても同様の傾向となっている。
2026年3月 「トイレットペーパー」と「ラップフィルム」に見る、消費者の動き
 「トイレットペーパー」については2024年以降、3月に次年度からの値上げを見据えた駆け込み需要が繰り返し見られてきたが、2026年3月の伸びは過去2年を大きく上回った。価格改定要因だけでは説明しきれない動きである。週次でみると2月23日~3月1日週は、前年同週比16%増と最初のピークを迎えた。

 その翌週になると、ホルムズ海峡の状況やエネルギー供給を巡る報道が増加する。「ガソリン」に関する記事件数が急増したタイミングの週末15日にはトイレットペーパーの千人当たり金額が3月の最高値1万1292円に達した。
2026年3月 「トイレットペーパー」と「ラップフィルム」に見る、消費者の動き
中東地域への不安はまず「トイレットペーパー」に出る

 中東情勢の緊張が消費者に与える影響は、まず「トイレットペーパー」の需要として表面化した。トイレットペーパーはほぼ国内生産で、原材料も中東への依存度は低い。それでも有事や災害時の不安が、相変わらず購買行動に結びついてしまうことが今回のことからもわかる。3月19日には経済産業省がイラン情勢を踏まえ、トイレットペーパーの流通に関する声明を公表したが、データを見る限りその後2週間ほど余波が続き、週末ごとに購買が膨らむ動きが見られた。
 一方「ラッピングフィルム」のピークは3月29日で、「トイレットペーパー」から2週間ほど遅れて3月でもっとも高い売り上げとなった。3月16日週に「ナフサ」の記事件数が増加したことが大きな引き金となったようだ。

 両カテゴリーとも、週末に集中して購入されるパターンに変化はなく、まだ「パニック」と呼ぶには遠い。しかし「ラッピングフィルム」については、大手メーカーから「値上げは避けられない」との見方が示されるなど、先行きへの不安は続く。POSデータを通じて数字に表れる、消費者の動きに今後も注視していきたい。

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