コラム・調査レポート
2025.04.11
食品
2025年冬に売れたもの~新年度に振り返る

この冬は全国的に低温傾向が続いた。2月には日本海側で大雪、太平洋側では少雨による乾燥と、地域ごとに異なる気象の影響を受けた。暦のうえで春を迎えた3月も平均気温は平年より高かったものの、季節外れの雪が降るなど寒暖差が激しく、体感的には「寒かった冬」という印象で終わった。日差しも暖かになり、早くも忘れつつあるこの冬から春にかけての寒さだが、この時期の消費傾向を日経POSのデータで見てみよう。
■ 家庭用品:まずは寒さ対策。乾燥対策もしっかりと
「使い切りカイロ」は、2025年2月に千人当たり金額が前年比59%増と大きく伸長した。とくに西日本の気温平年差が-1.8 ℃※とかなり低かったこともあり、中京より西のエリアでの伸びが顕著で、九州では前年比125%増と2倍以上の売り上げとなった。

2024年12月から続いた少雨の影響で乾燥した空気は、「ハンドクリーム・ローション」の需要を高めた。記録的な少雨となった西日本では、2月に四国で前年比146%増、九州で83%増といずれも大幅増となった。関東外郭、首都圏でも大きく売り上げを伸ばしているが、このエリアでは「静電気防止剤」も例年より好調で、関東地区の冬の乾きを感じさせる結果となっている。
一方で、もっとも売り上げの低い北陸は、年間を通して平均湿度が70%を下回ることが少ない多湿な地域である。富山では67.5%となっている。
このほかの家庭用品では「リップクリーム」「ボディローション」などでも「ハンドクリーム・ローション」と同様の傾向がみられた。
※気象庁:日本の地域平均気候表より
https://www.data.jma.go.jp/cpd/cgi-bin/view/kikohyo/index.php?kikan=mon&year=2025&month=2
■食品:スパイシーな鍋とのど飴で風邪予防
例年、気温が低いほど売れるのが「鍋つゆ」だが、今冬はシーズンイン以降「カレー鍋用つゆ」、「その他鍋つゆ」の好調がカテゴリーを支えたようだ。「その他鍋つゆ」の商品別ランキング上位10商品をみてみると、2025年2月はイチビキ「赤から鍋スープ」シリーズを含む6ブランドが辛みのあるタイプで、「カレー鍋用つゆ」とともに身体が温まりそうなスパイシーな味が好まれたことがうかがえる。



