コラム・調査レポート
2024.07.18
食品
飲み方はあなた次第。薄めたり割ったりが新しく、そして懐かしい
薄めたり割ったりして飲むタイプの飲料が好調だ。日経POSの全スーパーで代表的な4つの小分類(下のグラフ参照)の売り上げを合わせると、直近1年間は前年比増が続き2024年6月の千人当たり金額は1,947.5円で前年同月比10.1%増。自宅やオフィスで手軽に、好みに合わせた割り方で、欲しい量だけ飲めること。また、保管場所をとらないことや、日持ちすることも消費者に評価されているようだ。
薄めて飲む飲料にはいくつかのタイプがあるが、日経POSで代表的な4カテゴリーの月次グラフでは、消費の傾向は夏型の「希釈乳酸菌飲料」「濃縮コーヒー」「濃縮紅茶」と、冬型の「希釈果汁・清涼飲料」にはっきりと分かれた。
売り上げ規模は夏型の方が大きく、その代表といえるのが「希釈乳酸菌飲料」である。このカテゴリーで長年にわたり1位を保ち続けているアサヒ飲料の「カルピス」は、100年以上のロングセラー。1973年にはカルピスソーダ、1991年にカルピスウォーターを発売するなど、時代の流れと共に飲用シーンを広げてきた。しかし希釈での飲用は世代を越え現在でも親しまれているようだ。
「濃縮コーヒー」は、近年人気を増してきているカテゴリーだが、直近5年間で見ると毎年順調に売り上げを伸ばしていることがわかる。12カ月間の千人当り金額で比較すると、2020年の318.8円に対し2023年は436.4円で36.9%増となっている。
売り上げ規模は夏型の方が大きく、その代表といえるのが「希釈乳酸菌飲料」である。このカテゴリーで長年にわたり1位を保ち続けているアサヒ飲料の「カルピス」は、100年以上のロングセラー。1973年にはカルピスソーダ、1991年にカルピスウォーターを発売するなど、時代の流れと共に飲用シーンを広げてきた。しかし希釈での飲用は世代を越え現在でも親しまれているようだ。
「濃縮コーヒー」は、近年人気を増してきているカテゴリーだが、直近5年間で見ると毎年順調に売り上げを伸ばしていることがわかる。12カ月間の千人当り金額で比較すると、2020年の318.8円に対し2023年は436.4円で36.9%増となっている。
2024年6月の上位1位から3位を占めているサントリー食品インターナショナルの「割るだけボスカフェ」シリーズは、お店のようなカフェラテやフレーバーコーヒーが簡単に楽しめると、発売以来好評が続いている。
冬型の代表といえるのが「ゆず茶」「ホットレモン」などが分類されている「希釈果汁・清涼飲料」だった。しかし今後は冬型のカテゴリーだと言い切れなくなる可能性が出てきた。2024年4月発売のサントリー食品インターナショナル「おうちドリンクバー POPメロンソーダ」「同 CCレモン」は、日経POSに登場直後から週次ランキングで1位、2位となった。その後も夏にかけて順位をキープしたまま推移している。
冬型の代表といえるのが「ゆず茶」「ホットレモン」などが分類されている「希釈果汁・清涼飲料」だった。しかし今後は冬型のカテゴリーだと言い切れなくなる可能性が出てきた。2024年4月発売のサントリー食品インターナショナル「おうちドリンクバー POPメロンソーダ」「同 CCレモン」は、日経POSに登場直後から週次ランキングで1位、2位となった。その後も夏にかけて順位をキープしたまま推移している。
それぞれ「ペットボトル入り無果汁炭酸飲料」と「ペットボトル入り果汁入り炭酸飲料」に分類されている既存商品の薄めて飲む版だが、SNSなどからもメロンソーダにアイスクリームとチェリーをトッピングし「憧れのクリームソーダ」を作ったり、好みの強さの炭酸水で割ったりと、買った人が自由に楽しんでいる様子がうかがえる。その他、レモンサワーやレモンフレーバーのビールを作るなど、晩酌時にも活躍しているようだ。
「ビネガードリンク」は一部紙パック飲料なども含むため、今回の分析対象とはしていないが、水やソーダで割って飲まれる商品も多数含まれている。昔ながらの「黒酢」「リンゴ酢」に加え、近年では韓国からやってきた果実発酵酢「美酢(ミチョ)」も人気だ。直近1年、カテゴリー全体の売り上げは2023年12月以外で前年を下回り2024年6月の千人当たり金額は前年から約1割減。しかし健康志向の消費者に長年にわたって親しまれてきたカテゴリーとして、根強い人気を保っている。
長きに渡り親しまれてきた希釈タイプの飲料は、レトロな喫茶店やおしゃれなカフェにいる気分、子供の頃を懐かしみながらなど、さまざまな感情を消費者に与えているようだ。美味しいだけではなく、作って飲むときに得られる懐かしさなどの情感が、このカテゴリーの好調を支えているのかもしれない。この夏もどのような思い出とともに消費者の毎日を楽しませていくのか、引き続き注視していきたい。
「ビネガードリンク」は一部紙パック飲料なども含むため、今回の分析対象とはしていないが、水やソーダで割って飲まれる商品も多数含まれている。昔ながらの「黒酢」「リンゴ酢」に加え、近年では韓国からやってきた果実発酵酢「美酢(ミチョ)」も人気だ。直近1年、カテゴリー全体の売り上げは2023年12月以外で前年を下回り2024年6月の千人当たり金額は前年から約1割減。しかし健康志向の消費者に長年にわたって親しまれてきたカテゴリーとして、根強い人気を保っている。
長きに渡り親しまれてきた希釈タイプの飲料は、レトロな喫茶店やおしゃれなカフェにいる気分、子供の頃を懐かしみながらなど、さまざまな感情を消費者に与えているようだ。美味しいだけではなく、作って飲むときに得られる懐かしさなどの情感が、このカテゴリーの好調を支えているのかもしれない。この夏もどのような思い出とともに消費者の毎日を楽しませていくのか、引き続き注視していきたい。