コラム・調査レポート

2021.02.26

食品

鍋つゆ好調続く、寒い冬が後押し

 「鍋つゆ」の販売が好調だ。日経POSデータによると2021年1月の千人当たり販売金額は前年同月比125.7%の9,645.3円で、昨年のピークである2019年12月の9,152.9円を越えた。
 コロナ禍の巣ごもり需要による影響があり、2020年の「鍋つゆ」はそもそも好調だった。加えて10月の平均気温が昨年より1.9℃低く千人当たり金額は前年同月比127.5%となり、11月に一度気温が上がり鈍化したものの、1月は昨年より1.7℃低く、例年より厳しい寒さが後押しし好調につながった。需要期終わりである2月も好調に推移しており、前年増で着地となりそうだ。
鍋つゆ好調続く、寒い冬が後押し
 2021年1月の「鍋つゆ」カテゴリーのランキングをみると、1位はミツカン「〆まで美味しい ごま豆乳鍋つゆ ストレート」で千人当たり金額は前年同月比126.1%となった。発売から10年以上のロングセラーながら上位をキープし続けている。和風だしベースだが、〆にチーズリゾットやカルボナーラスパゲッティなど洋風アレンジもでき、大人も子供も楽しめる商品だ。2位のエバラ「すき焼のたれ マイルド」は同前年同月比115.6%。関西向けに開発された甘めな味つけの「すき焼き用割り下」で、中京より西ではランキングでトップである。
 味付けに注目して昨年と比較してみると、寒さのせいか今年は辛い鍋に人気が集まっているようだ。3位ミツカン「〆まで美味しい キムチ鍋つゆ ストレート」は2ランクアップ、同前年同月比は137.4%であった。8位イチビキ「赤から鍋スープ 3番 ストレート」は同前年同月比150.6%で、昨年の11位から大躍進となった。イチビキ「赤から鍋スープ」シリーズは5種類から好みに合わせて味が選べ3番は下から2つめの辛さでシリーズ中、人気№1となっている。10位のエバラ「プチッと鍋 キムチ鍋 ポーション」は同前年同月比153.4%、こちらも昨年は12位であった。
 2020年から2021年にかけての「鍋つゆ」市場はコロナ禍による巣ごもり需要の後押しと、10月以降の寒さが味方となり当たり年となった。鍋シーズン終了後の動きにも引き続き注目していきたい。

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