コラム・調査レポート
2025.10.3
食品
秋は小さくやってくる
9月19日、最低気温がようやく18.6度(東京)と20度を割り込んだ。日中はまだ半袖で過ごす日も多いが、クーラーを使わずとも快適に過ごせるようになってきた。そんなほんのりやってきた秋の気配のなか、消費者はどんな食品に手を伸ばしているのだろうか。
■暦の変わり目に選ばれる「ちょっと濃いめ」
プリンやゼリーなどを含む大分類「チルドクールデザート」では、9月に入って「チルドチーズデザート」や「チルドパフェ」など、カロリー高めの商品が多い小分類の売り上げが上昇した。「チルドパフェ」の商品別ランキングをみると、梨やブドウ、さつまいもなど秋を感じさせる商品が好調のようだ。アイテム数も同時期に増加しているところをみると、秋らしい商品が棚に増え始め、それに消費者が反応した結果とも考えられる。9月1日の最高気温が36.4度と夏日は続いていたが、早くも気持ちは秋の味覚へと向かったようだ。
■暦の変わり目に選ばれる「ちょっと濃いめ」
プリンやゼリーなどを含む大分類「チルドクールデザート」では、9月に入って「チルドチーズデザート」や「チルドパフェ」など、カロリー高めの商品が多い小分類の売り上げが上昇した。「チルドパフェ」の商品別ランキングをみると、梨やブドウ、さつまいもなど秋を感じさせる商品が好調のようだ。アイテム数も同時期に増加しているところをみると、秋らしい商品が棚に増え始め、それに消費者が反応した結果とも考えられる。9月1日の最高気温が36.4度と夏日は続いていたが、早くも気持ちは秋の味覚へと向かったようだ。

一方で「チルドコーヒーゼリー」「チルドフルーツゼリー」など、さっぱり系のデザートは売り上げが下降傾向となった。季節の変化にあわせて、消費者の「甘さ」や「濃さ」の好みも変わっていくようだ。
肌寒くなると頭に浮かび始める「カップスープ」では、コーンクリームやポタージュなど、濃厚なタイプの売り上げが伸長。「シチューミックス・シチュールー」も同様の傾向となった。反対に、わかめスープや野菜スープなどのあっさり系には大きな伸びが見られなかった。温かいスープの中でも、季節にあわせて選ばれる味が異なることがうかがえる。
肌寒くなると頭に浮かび始める「カップスープ」では、コーンクリームやポタージュなど、濃厚なタイプの売り上げが伸長。「シチューミックス・シチュールー」も同様の傾向となった。反対に、わかめスープや野菜スープなどのあっさり系には大きな伸びが見られなかった。温かいスープの中でも、季節にあわせて選ばれる味が異なることがうかがえる。

■明確に涼しいと感じる気温は?最低気温の影響
小分類「弁当」では、8月最終週から冷やし中華が下降傾向に入り、代わって「かき揚げそば」のような温かいメニューが台頭し始めた。日次で見ると、最低気温が20度を下回った9月19日を境に、ランキングで両者の順位が逆転していることがわかる。
小分類「弁当」では、8月最終週から冷やし中華が下降傾向に入り、代わって「かき揚げそば」のような温かいメニューが台頭し始めた。日次で見ると、最低気温が20度を下回った9月19日を境に、ランキングで両者の順位が逆転していることがわかる。


「弁当」と同じタイミングで変化が訪れたのが大分類「鍋つゆ」だ。日次で商品別ランキングを見ると、 9月18日まではエバラ「すき焼きのたれ」シリーズが上位2位を独占していたが、19日以降はミツカン「キムチ鍋つゆ」、「ごま豆乳鍋つゆ」が台頭し、すき焼きのたれ一強に割って入った。鍋もののシーズンインの瞬間である。

今回は、季節の変わり目に、スーパーの棚や気温の変化に繊細に反応する消費の姿を観察できた。本格的な秋の訪れを待ちつつ、日々の買い物に見え隠れする小さな変化を楽しんでいきたい。
