コラム・調査レポート

2020.10.5

食品

機能追加で多様なニーズに応える「スポーツ飲料」

 今年の夏は猛暑が長引き、熱中症による搬送数も過去最多を記録した。年々暑さが増す中、スポーツドリンクの存在感も増し多くの商品が店頭に並んでいる。
 9月の日経POSデータによると、全国のスーパーでのスポーツ飲料の来店客千人当たり販売金額は4518.7円、前年同月比2.3%増となった。
 最新週(9/21~9/27)のベスト10は、1位コカ・コーラ「アクエリアス PET 500ML」、2位「同 PET 2L」、その他4品がランクインし、大塚製薬「ポカリスエット」は2品が入った。サントリー「グリーンダカラ」が2大巨頭を追う。
 上位に定番商品が並ぶ中、11位以下に目を向けると各社の商品展開の個性が見える。コカ・コーラ「アクエリアス」は「ピーチ」「1日分のマルチビタミン」などフレーバーや、栄養機能追加、ブランド初の機能性表示食品「エスボディ」などバラエティに富んでいる。5月には「スパークリング」が発売、炭酸を追加し暑熱下やリフレッシュ時など飲用シーン拡大を視野に入れた。
 大塚製薬のポカリスエットは、低カロリータイプの「イオンウォーター」、「ゼリー」などシンプルな展開が特徴だ。5月にはこれまで通販限定だった「アイススラリー」を店頭へ導入開始した。近年注目のプレクーリング(活動前に冷やす)の考えのもと開発され、独自技術で一度溶けても再冷凍でスラリー状(液体と細かい氷の混合物)を再現可能なため流通しやすく「効率のよい水分補給」と共に「熱中症対策」という訴求に集中した。
 このところ気温も落ち着き、熱中症予防目的での利用は落ち着くとみられる。しかし今年は新型コロナウィルスへの不安もあり、消費者の体調維持、健康維持への意識は例年よりも高くなると考えられる。スポーツ飲料の活躍の場は例年より長く続くだろう。
機能追加で多様なニーズに応える「スポーツ飲料」

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