コラム・調査レポート

2020.11.19

食品

北陸でカニカマといえば「カリブ」

 日経POSデータによると、カニ風味かまぼこで2019年に一番売れているのは金額シェア9.4%の一正蒲鉾「かに風味スティック」、数年にわたり安定的に売れている。ただ、これは全国のデータであり、地方では違った景色が見えてくる。
 例えば、北陸地域で一番売れているのは、スギヨ(石川県七尾市)の「ロイヤルカリブ 乳酸菌入り」で、金額シェア46.9%と他社商品を圧倒している。
 北陸では普段からかまぼこを食べる習慣があり、お祝いの定番料理はカニ。この日常と特別が一つとなり生まれたのがカニカマだ。
 「ロイヤルカリブ 乳酸菌入り」は、地元では「カリブ」と呼ばれ、晩酌のお供や子どものおやつに幅広い年代に親しまれている。1本1本の繊維が葉脈状になる製法で、本物のカニ脚のような複雑な風味や食感を再現、どこでも手に入る手軽さもあり、北陸でカニカマと言えばカリブが定着している。
 スギヨによると「進学で上京した人が、スーパーにカリブが無いことに驚き、実家からわざわざ取り寄せたという話もある」というほど、地元の人にとっては、あって当然の商品のようだ。全国的に有名でなくても、その地域では不動の1位の好例だ。

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