コラム・調査レポート

2022.10.14

食品

健康的な食生活を手間なく実現「完全メシ」

 カレーとご飯がセットで手軽に食べられる「即席カレー・ハヤシライス」が売上げ好調だ。
 同分類の6月の来店客千人当たり販売金額は前年同月比16.4%増、以降も伸長が著しく、2022年9月は前年比126.9%増と大きく伸びた。来店客千人当り販売個数も同じ傾向にあり、値上げに関係なく売上げが伸びている。
 牽引しているのは日清食品「完全メシ カレーメシ 欧風カレー カップ 119G」。「完全メシ」は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」で設定された33種類の栄養素を摂取できる「完全食」で、三大栄養素に加え必須脂肪酸など過不足なく摂取できるという。
 日経POSによると、同商品が発売された7月の来店客千人当たり販売金額は3.0円だったが、順調に売上げを伸ばし9月は70.7円と、同社の「カレーメシ ビーフ カップ 107G」に次ぎ2位になった。「完全メシ」の9月のカバー率は36.1%と1位商品の83.0%に遠く及ばないが、出現店千人当たり販売金額は142.7円と1位商品(同114.1円)を超えている。今後、取り扱う店舗が増えれば首位に立つかもしれない。
 面白いのは「完全メシ」の発売で従来品の売上げも伸びた点だ。1位の完全メシでない同社のカレーメシの来店客千人当たり販売金額の前年同月比は、5月が2.5%減、6月が4.8%増だったが、「完全メシ」が発売された7月は36.5%の二桁増、その後も8月は38.6%増、9月は73.0%増と大きく伸びた。平均価格の伸びは数%で価格上昇の影響は小さい。2つのカレーメシの商品はパッケージが似ているので間違って買ったということもないだろうが、「完全メシ」の発売が、従来品の売り上げにも好影響を与えたようだ。

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