コラム・調査レポート

2020.01.17

家庭用品

今シーズンはさらに売り上げ伸長 大幸薬品の「クレベリン」

 大幸薬品の除菌消臭剤「クレベリン」シリーズの販売が好調だ。二酸化塩素分子の力で空間に浮遊するウイルス、菌、ニオイを除去するのが特徴で、インフルエンザ対策用品として人気を集める。寝室やリビングに置いて使用する置き型タイプのほか、持ち歩けるペンタイプ、身の回りの気になる場所に直接吹きかけるスプレータイプなど、多様な商品が展開されている。
 2008年の発売以来「絶対にインフルンザにかかりたくない人」をターゲットにした販促活動が奏功し売り上げを伸ばしてきた。競合品が増えてきたことから2018年9月に製品パッケージの全面リニューアルを実施。同社の看板商品「正露丸」でお馴染みのラッパのマークを外し、白を基調としたシンプルなデザインに変更したところ、スーパーやドラッグストアでの取り扱いが大幅に増え、販売の拡大につながった。
 クレベリンは、インフルエンザの流行に備えて10月から購入する人が増え始め、11月から翌2月頃に需要が集中する。日経POS情報で主力の150グラム入り「置き型」について最需要期の販売実績をリニューアル前後で比較してみると、リニューアル前(2017年11月~2018年2月)は13・4%にとどまっていた店頭カバー率は、リニューアル後の同時期(2018年11月~2019年2月)には10ポイントアップの23・3%まで上昇。来店客千人当たり販売金額は21円から61円と約3倍の水準まで拡大した。
 今シーズンはさらに売り上げが伸びている。例年より早い時期からインフルザが流行し始めたことが影響して前倒しで買う人が多かったようだ。2019年10月~12月のブランド全体の千人当たり金額は前年同期比85%増の170円となった。インフルエンザの流行がピークを過ぎたように見えることから足元の2020年1月6日週は前年割れしたものの、本格的な受験シーズンはこれからが本番。引き続き購入する人が増えそうだ。

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