コラム・調査レポート

2022.06.10

食品

アーモンド効果でみる男女の購入スピード差

 江崎グリコの「アーモンド効果」が売り上げ好調だ。日経POSのコンビニの4月のデータによると、植物性ミルクで同ブランド商品が1位から4位までを占める。
 アーモンド効果は、独自製法で香ばしい美味しさとなめらかな口当たりを実現しており、江崎グリコは「アーモンドと向き合い続きて来たグリコだからこそできた商品だ」と自信を見せる。
 アーモンド効果はコンビニでどのような人に売れているのか。首都圏のコンビニでの購入傾向がわかる日経CVSレシートデータで、アーモンド効果以外の植物性ミルクの商品と比較した。性別では、「アーモンド効果」は男性の購入が60.7%とアーモンド効果とアーモンド効果関連商品以外の植物性ミルク(同51.0%)より9.7ポイント高い。江崎グリコは「健康意識が高まった男性が、食生活の見直しの一環で購入している」と分析する。
 立地別では、オフィス街が56.1%とアーモンド効果以外の植物性ミルク(同40.2%)より15.9ポイント高い。時間帯別では、朝の購入が48.0%とアーモンド効果以外の植物性ミルク(同36.3%)より11.7ポイント高い。「忙しいビジネスパーソンが朝ごはんの代わりに飲用しているケースも多い」(同社)
 時系列でデータを追うと、別の側面も見えてくる。2018年に対する2021年の男性の購入者数は3.1倍、女性は2.9倍と、男性のほうが購入人数の伸び率が高い。江崎グリコによると「まだ購入していない男性が、彼女や奥さんなどから商品の良さを聞いて試しに購入して、その後、リピートしている」。さらに、同商品は、2021年9月14日にテレビ番組「林修の今でしょ!講座」で、商品が紹介されて一段と売り上げが伸びた。レシートデータで放送前の8か月と放送後の8か月の性別年齢層別購入状況を見ると、50歳以上の女性の購入が2.7倍と伸び率が最も高く、続く30歳から49歳の女性(同1.8倍)を大きく上回る。「番組の主な視聴者層だったのに加え、放送内容に共感した層だったことで50代以上の女性の購入が増えた」(同社)
 アーモンド効果だけでなく、一般的に新商品の発売当初は若い女性の購入が多い。テレビ情報に反応するのは、主な視聴者層のうち女性。いずれにしても、情報に敏感で行動が早いのは男性よりも女性のようだ。

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