コラム・調査レポート

2025.09.5

食品

もっと塩を──「ソルティ」が彩る夏の棚

 気象庁によると、この夏の平均気温はこれまでのところ平年より2度余りも高く「統計を取り始めてから最も暑い夏」になった。
 日経POSで全国スーパー、ドラッグストアの販売動向をみると、「ペットボトル入りスポーツ飲料」、経口補水液を中心とした「介護・病時食」は週次の最高気温が30度を上回りはじめた(東京)6月16日週のほか、35度超えが続いた8月18日週以降に前年比で大きく伸びており、猛暑の影響が色濃くあらわれている。大分類「清涼飲料」も同様の動きとなっているが、中でも注目したいのが「ペットボトル入り果汁入り飲料」の好調ぶりだ。
もっと塩を──「ソルティ」が彩る夏の棚
もっと塩を──「ソルティ」が彩る夏の棚
 商品別ランキングで上位10商品を見るとその立役者は「塩」を前面に押し出した商品たちのようだ。週次グラフをみてみると、キリンビバレッジ「世界のキッチンから ソルティライチ」や、サントリーホールディングス「天然水 うめソルティ」といった塩を感じさせる商品は、その他の果汁飲料と比べても、気温への反応がはっきりしていることがわかる。消費者がこれらに熱中症対策としての機能性を強く期待していることがうかがえる。
もっと塩を──「ソルティ」が彩る夏の棚
 キリンビバレッジ「世界のキッチンから ソルティライチ」は2011年7月発売。100ミリリットル当たり食塩相当量0.11グラム、炭水化物(糖質・食物繊維)8.4グラムとスポーツドリンクと同程度の塩分、やや高めの炭水化物を含む清涼飲料だ。直近5年間の販売動向を見ても安定して売り上げを伸ばしており、夏の定番商品の地位を確立している。

■広がる「塩」のイメージ

 「ソルティ」の人気は飲料にとどまらない。日経POSの8月末時点で「ソルティ」のワードを商品名に含むアイテムは315件。最新出現日が2025年8月1日以降のものだけでも69商品に上り、飲料やタブレット菓子はもちろん、メーキャップ化粧品、歯磨き粉などにまでジャンルが広がっている。
もっと塩を──「ソルティ」が彩る夏の棚
 現在は日経POS上に出現していないが、「小動物用えさ」のマルカン「カーサ ミネラルゼリー ソルティアップル・ライチ味」もその一例だ。ソルティという言葉には、塩分による機能性はもちろん「清涼感」「引き締まった甘さ」というイメージが託されているようだ。

 猛暑はつらいが、塩への期待やそのイメージをあらためて確認できた。来年こそ、塩関連商品に頼らないでも乗り切れる夏になるといいが。
もっと塩を──「ソルティ」が彩る夏の棚

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