コラム・調査レポート

2016.06.20

家庭用品

「Suisai」の酵素洗顔料、この夏も伸びるか

 酵素洗顔料とは、泡立つ石けん状の洗顔料ではなく、タンパク質や脂肪を分解して、古い角質や汚れを取り除くタイプの洗顔料。粉末状のものを水で溶いて使うものなどが主流で、暑くなるにつれ皮脂や角質の汚れが気になるようになると売れ行きが伸びるものが多いが、通年で売れている酵素洗顔料がある。「カネボウ スイサイ ビューティクリアパウダーa(4973167300329)」だ。
 直近6カ月(2015年12月~2016年5月)の洗顔せっけん・フェイシャルソープ(602002)カテゴリーは、SK2(マックスファクター)やソフィーナ(花王)の泡立つタイプの洗顔料をおさえて1位。千人当たり販売金額が132.2円なのに対して、出現店千人当たり金額は306.7円と、店頭での人気がうかがえる。
 カネボウ化粧品の「Suisai」シリーズは、国内ではSK2やソフィーナほどの知名度はないなか、2015年も年間売れ筋1位となるなど、非常に健闘している。「Suisai」は国内の人気もさることながら、インバウンド需要が非常に高い。毛穴のつまりをふせぎ、白い肌にしてくれるということで、日本のお土産として評判になり、雪肌精と並んで外国人観光客に人気だという。昨年は人気のあまり、店頭から品物が一時的に消えたようだ。時系列推移のグラフを確認してみると、2015年9月に一時的にカバー率が19%を割り込んでおり、千人当たり金額も100円以下となった。品薄による機会損失が発生したようだ。
 爆買いはひと段落したと言われているが、まだまだ前年比はプラスで推移している「Suisai」洗顔料。今年も夏に向けて売り上げを伸びるかどうかは、爆買いに頼らない、国内の知名度アップがカギとなりそうだ。

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