コラム・調査レポート

2020.04.23

食品

「STAY HOME」でケーキ・パン材料販売好調

 ドライイーストやゼラチン、ベーキングパウダーや、バニラエッセンスなどのケーキ・パン材料の売れ行きが好調だ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、自宅で過ごす時間が増えた人がパンや菓子作りを楽しんでいるとみられる。日経POS情報によると、3月の全国スーパーの来店客千人当たり金額は、分類全体で前年同月比23%増の1067.9円に達した。同カテゴリーが前年同月比で2桁増となったのは2017年6月以来3年9カ月ぶりのことだ。
 ケーキ・パン材料の需要は季節性がある。例年の販売は12月からクリスマスに向けて売り上げが大幅に伸長、バレンタインデーのある2月に需要のピークを迎える。3月のホワイトデーを過ぎた4月から11月までの来店客千人当たり金額は600から700円前後で推移する。2018年以降は前年割れの月が多く、売り上げは減少傾向が続いていた。
 今年の販売動向をみると、バレンタインデーの前の週末を含む2月3日週の千人当たり金額が前年比―32%の大幅減と不振に終わったものの、その後は増加傾向に転じ、全国一斉休校要請が発表された2月17日週以降は前年同週比2桁増で推移した。
 4月に入り、7都道府県を対象に緊急事態宣言が発令後の外出自粛の動きが広がると、さらに販売の拡大傾向は鮮明となる。4月6日週の千人当たり販売金額は前年同週比で124.7%増の1346.9円、翌13日週は188.7%増の1704.4円まで伸びている。
 手作り用チョコレートセットも好調だ。このカテゴリーもケーキ・パン材料と同様、需要のピークである2月3日週の千人当たり金額は前年比で―22.7%と不振だったが、その後は一転して前年同週比2桁増で推移。4月13日週は116.5%増となった。売れ筋上位は、「明治 手作りアポロ」、「同 作ろう!きのこの山」、「共立 ホームメードケーキ ミニオン チョコバナナを作ろう」など、子供も楽しく作れる商品が人気を集めている。外食もままならない状況が続き、調理に手間のかからないレトルトや冷凍食品の販売が拡大する一方、久しぶりに作る過程を楽しもうという人も増えているようだ。

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