コラム・調査レポート
2025.09.19
家庭用品
「暑すぎて虫もお手上げ?」~猛暑と害虫と殺虫剤~
この夏の暑さは人間だけでなく虫や害獣たちの行動にも影響を及ぼしていたようだ。例年以上の猛暑となった2025年、これらが「減ったのでは?」という声すら聞かれる。
「殺虫剤・殺鼠剤」を見てみると、最高気温の平均が東京で昨年より3.4℃高かった7月の千人当り個数は昨年の13%減、8月も3%減となっている。
「殺虫剤・殺鼠剤」を見てみると、最高気温の平均が東京で昨年より3.4℃高かった7月の千人当り個数は昨年の13%減、8月も3%減となっている。

小分類別にみると、暑さに大きく影響されたのは「ハエ・蚊用殺虫剤」。7月の千人当り個数が15%減となった。気温が35℃以上になると蚊の動きは鈍るとされているが、「今年の夏はあまり蚊に刺されなかったな」という感覚がデータにも表れたようだ。一方で暑さが少し和らいだ9月には売上が急増。9月15日(東京の最高気温30.5℃)には前日比で13%も販売個数が伸び、活動を再開した蚊が一斉に人目に触れたことがうかがえる。
ゴキブリ用製品も例外ではない。「ゴキブリスプレー殺虫剤」の千人当り個数が7月は前年比13%減、8月は3%減となった。とはいえ、直近5年で見れば2024年の売上が非常に高かったため、相対的に落ち込んで見えているという面もある。2023年11月から2024年2月にかけては平均気温・湿度とも高めで、ゴキブリが冬を越しやすかった。その結果、2024年夏の出現数が増え、殺虫剤の需要も高まった可能性がある。2025年の夏の売り上げは、越冬したゴキブリの数自体が減っていた影響もあるかもしれない。
一方で、この夏に販売数を伸ばしたのが「ダニ用殺虫剤」だ。8月の前年同月比で千人当り個数が10%増と、夏の終わりに存在感を示した。ダニの活動に適した室温は20〜30℃とされており、エアコンの効いた室内は格好の生息環境となったようだ。
地域別に見ると、北海道ではゴキブリ関連製品の売上が非常に少ない。東北・北陸でも同様だが、近畿圏や首都圏では通年で売上が高い傾向にある。この傾向は「ダニ用殺虫剤」についても同様だ。湿度、気温、住環境の違いがこれらのカテゴリーに大きく影響していることがうかがえる。
ゴキブリ用製品も例外ではない。「ゴキブリスプレー殺虫剤」の千人当り個数が7月は前年比13%減、8月は3%減となった。とはいえ、直近5年で見れば2024年の売上が非常に高かったため、相対的に落ち込んで見えているという面もある。2023年11月から2024年2月にかけては平均気温・湿度とも高めで、ゴキブリが冬を越しやすかった。その結果、2024年夏の出現数が増え、殺虫剤の需要も高まった可能性がある。2025年の夏の売り上げは、越冬したゴキブリの数自体が減っていた影響もあるかもしれない。
一方で、この夏に販売数を伸ばしたのが「ダニ用殺虫剤」だ。8月の前年同月比で千人当り個数が10%増と、夏の終わりに存在感を示した。ダニの活動に適した室温は20〜30℃とされており、エアコンの効いた室内は格好の生息環境となったようだ。
地域別に見ると、北海道ではゴキブリ関連製品の売上が非常に少ない。東北・北陸でも同様だが、近畿圏や首都圏では通年で売上が高い傾向にある。この傾向は「ダニ用殺虫剤」についても同様だ。湿度、気温、住環境の違いがこれらのカテゴリーに大きく影響していることがうかがえる。


今回は2025年の猛暑が害虫に及ぼした影響を、「殺虫剤・殺鼠剤」の売上データから観察した。自然環境の変化を人々の購買行動から垣間見られることは、POSデータならではの面白さだ。
