コラム・調査レポート

2019.08.23

食品

「キリン ファイア ワンデイ ブラック」今後に期待

 キリンビバレッジは4月2日にペットボトル入りコーヒー飲料「キリン ファイア ワンデイ ブラック」を発売した。
 商品開発で着目したのは、働き方改革やワークライフバランスなど、オフィスワーカーを取り巻く環境の変化だという。効率的に仕事を行い、適度な息抜きをする働き方が期待される中、オフィスで1日かけてゆっくり飲めるコーヒーというコンセプトで商品名もワンデイ ブラックとした。
 ペットボトル入りコーヒー飲料市場は「クラフトボス」のヒット以来、拡大しているが、キリンビバレッジは後発であり、先行する商品との差別化を図る必要があった。そのため、容量は600mlと他社商品より多めにしながら、縦長にすることで胴回りは同等にした。ペットボトル入りコーヒー飲料で主流パッケージの透明にはせず、あえて中身の見えないシルバーにした。
 日経POSデータで「キリン ファイア ワンデイ ブラック」の売れ行きを見てみよう。発売月の2019年4月のコンビニエンスストアでの千人当たり販売金額は368.1円とペットボトル入りコーヒー飲料で7位、拡大する激戦市場で、まずまずのスタートだ。しかし、5月は284.3円、6月には278円となり同分類内での順位も9位に下げた。商品力の参考指標である出現店千人当たり販売金額は4月が396.0円で、5月(同381.1円)、6月(同418.2円)と上昇している。問題はカバー率のようで、4月の90.4%から、5月(同80.8%)、6月(同72.5%)と大きく下げている。キリンビバレッジによると「発売時期のタイミングが悪く定番商品とは見てもらえず、棚から外されたところもあった」。
 7月のデータによると、出現店千人当たり販売金額が425.0円、カバー率が73.1円と、ともに上昇した。出現店千人当たり販売金額からも分かるように置けば売れる商品のようなので、今後カバー率が上昇すれば、全体の売り上げ増も期待できそうだ。

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