コラム・調査レポート

2020.02.28

食品

商品パッケージリニューアルの難しさ

 「マルコメ プラス糀 生糀みそ カップ 650G」の売り上げが好調だ。一般みそカテゴリーで長期にわたり1位だった「ひかり 無添加 円熟こうじみそ カップ 750G」を2018年8月に抜き去り、その後も差を広げている。「プラス糀 生糀みそ」の好調が目立つ一方で「無添加 円熟こうじみそ」は、2018年7月に千人当たり販売金額が前月比マイナス17.2円の77.9円と大きく落ち込み、その後も不調が続く。同商品に、いったい何が起こったのだろうか。
 ひかりみそは、2018年7月に「無添加 円熟こうじみそ」の商品パッケージのリニューアルを行った。商品名を消費者に覚えてほしいという思いから、それまでウリにしていた「無添加」であることを前面に押し出したパッケージを改め、商品名である「円熟」を大きく中央に打ち出した。さらに、日経POSデータを使った「売れ筋No.1」の表記をやめ、代わりに「ASK Doctors」の100人の医者のうち98人が人に勧めたいと評価したというマークを付けた。
 まず、「ASK Doctors」を知っている消費者がどの程度いるだろうか。認知度はかなり低いと思われる。そうであれば、今まで通り「売れ筋No.1」のほうが消費者への遡及としては有効であっただろう。「円熟」と商品名を前面に押し出した点はどうだろうか。リニューアルと同時に大々的にTVCMを打つなどの施策があればいいだろうが、商品パッケージに認知度の低い名前を大きく描くだけでは、消費者は手に取ってくれないだろう。何より、これまでのロイヤルユーザーが離れるリスクが大きい。日経POS情報の2020年1月のデータによると、1位の「プラス糀 生糀みそ」と2位の「無添加 円熟こうじみそ」の千人当たり販売金額の差は41.4円に広がっている。商品パッケージのリニューアルは危険を伴う。一歩間違うと大きくシェアを落としかねない。

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