コラム・調査レポート

2018.10.2

食品

秋の新商品競争、冷凍ギョーザが圧勝

秋の新商品競争が本格化しているが、今年の食品売り場はどうやら冷凍ギョーザの圧倒的勝利で決まりそうだ。

「MJ新製品ランキング」で最新週(9/16-22)の食品全体のランキングを見ると、トップ10のうち冷凍ギョーザが3アイテムを占める。
1位は王者、味の素冷凍食品「ギョーザ」、3位は同「しょうがギョーザ」、8位には王者を狙い打つイートアンド「大阪王将 羽根つき餃子」が並ぶ。
「MJ新製品ランキング/冷凍食品」に絞るとトップ5に3商品がひしめき、ギョーザの強さが際立つ。いずれも発売当初から好調で3商品揃って4週連続でトップ10入りしている。

味の素冷凍食品は8月12日にリニューアルした「ギョーザ」、姉妹品「しょうがギョーザ」を揃って発売。「ギョーザ」は油、水なしで羽根つき餃子ができるのが売りだが、羽根がさらに見栄え良くできることに加え、具と皮のバランスを追求し薄皮を採用、また野菜、肉ともにすべて国産にした。
「しょうがギョーザ」は1972年の「ギョーザ」発売以来初めて投入したニンニク味以外の姉妹品で、平日でも気にせず食べられるという。
イートアンドの「大阪王将 羽根つき餃子」も8月末にリニューアル販売した。油いらず、水いらずに加え、フライパンのフタいらずをアピールしている。

3つの新商品のけん引により、9月の冷凍ギョーザ市場は前年同期比19.1%増の千人当たり金額2278.7円と急拡大した(10/2集計時点)。両社の売上は大幅に伸び、味の素冷凍食品が前年同期比21.8%増の千人当たり金額1290円、イートアンドが同5.9%増の620.8円だった。

さらに詳しくデータを見ると、今後まだ伸びしろがあることがうかがえる。キーは取扱店の比率を示す「カバー率」の推移だ。
秋の新商品競争、冷凍ギョーザが圧勝
3アイテムともに発売後から取り扱い店舗は順調に増え、カバー率は右肩上がりだ。「ギョーザ」は王者らしく最新週には92.7%と9割を超える店で扱いがある。しかし「しょうがギョーザ」は66.8%、「大阪王将 羽根つき餃子」はまだ58.0%にとどまっている。好調な売れ行きから取り扱いを希望する店舗は今後も増えるだろう。冷凍食品売り場を再考しギョーザ比率を高める店舗も出てくるのではないか。

各社が切磋琢磨し新商品が市場全体を盛り上げていく。人口減で国内の消費が冷え込む中、冷凍ギョーザは王道ともいえる成長パターンを見せている。

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