コラム・調査レポート

2026.05.22

食品

「塩こうじ」は定番調味料となった

 日経POSを見てみると「塩こうじ」(塩麹、塩麴、塩糀)という名称を含む商品は、2026年4月時点で46分類にもおよぶ。商品数が最も多いのは「その他調味料・ソース」の71商品だが、「ドレッシング」や「弁当」でもそれぞれ7商品が確認できる。
「塩こうじ」は定番調味料となった
 そのほか総菜やパンなど、調味料以外の商品名にも広く使われている。「塩こうじ」というワード自体が、うまみやまろやかさを連想させる訴求力を持つと認識されているためだろう。

■「塩こうじ」を好む地域

 そもそも「塩こうじ」自体は新しい調味料ではない。かぶら漬けなど、日本には古くから塩と麹を使って食材を漬け込む文化があり、「三五八漬け(さごはちづけ)」もその一つだ。「漬物のもと」で「三五八」と名のつく商品の千人当り金額をみると、東北、北陸が中心の食文化とわかる。
「塩こうじ」は定番調味料となった
 また「塩こうじ」(塩麹、塩麴、塩糀)を含む商品を地域別にみると、北陸の千人当り金額がもっとも高い。伝統的な食文化との親和性が、現在の需要にもつながっているようだ。
「塩こうじ」は定番調味料となった
■調味料としての「塩こうじ」

 「塩こうじ」が全国的に広まったのはいつ頃なのか。日経テレコンで記事を検索すると、2008年に漫画『おせん』のドラマ版で、塩麹をつかった看板料理を考える回が紹介されたテレビ紹介の記事、2009年に大分県佐伯市の「糀(こうじ)屋本店」が出版したレシピ本が話題となった記事あたりをきっかけに、それまで味噌づくり関連が中心だった「塩こうじ」の記事に、調味料としての話題が増え始める。本格的に増加するのは2011年以降で、内容からは発酵食品としての健康イメージが追い風となったことがうかがえる。

 日経POSで商品名検索をすると、第一次ブームは2012年、第二次ブームは2020年に訪れている。第二次については新型コロナ禍の時期と重なっている。2023年をピークに新商品の登場数は減少傾向だが、「その他調味料・ソース」の千人当たり金額は上昇を続けている。新商品が次々に登場する段階を過ぎ、現在は定番商品が安定して売れるフェーズへと移行したようだ。
「塩こうじ」は定番調味料となった
「塩こうじ」は定番調味料となった
 「塩こうじ」は伝統的な食文化から生まれ、用途を広げることで定番調味料、さらに味のジャンルとして定着してきた。古くて新しいこの味わいがこれからも食卓で支持されていくのか、引き続き注視したい。
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