コラム・調査レポート
2025.11.14
家庭用品
湿度50%で保湿スイッチON
秋が深まるより早く太平洋側では空気が乾燥しはじめた。日経POSで2025年10月の保湿関連カテゴリーの売り上げを見てみると、前年同月を上回る商品が目立つ。10月20日週に急増し、日次では24日に購入の伸びが目立つ。日本気象協会の気象情報(東京)によると、この日は湿度が51%まで低下。週次で比較すると前年に湿度が50%台となったのは11月初めで、今年は2週間ほど早い。10月末以降は晴天の日を中心に50%を下回ることが多く、11月7日には30%台を記録した。季節が移ろうタイミングが、数値からもはっきりと見えてくる。
商品別ランキングをみると、乾燥による悩みの傾向が浮かび上がる。顔まわりの保湿を担う「女性用クリーム」では、エイジングケアやしわ対策を訴求する商品が好調。「女性用乳液」では10月初旬にブランド全体で乾燥対策を強化した商品をリリースした花王「アルブラン」が存在感を示した。
身体の保湿を目的とする「ボディローション」は、8月の1位が花王「キュレルディープモイスチャースプレー」だったが、9月には花王「ニベア スキンミルク しっとり」に1位が入れ替わり、早めの変化となった。「ボディクリーム」の変化は「ボディローション」より少し遅めのようだ。11月3日週をみてみると、第一三共「ロコベースリペア」、Hローゼ「ビーハニー 越冬クリーム」など、高保湿タイプが順位を上げ、消費者がより空気の乾燥を強く感じ始めたことがうかがえる。
入浴剤でも動きが見られる。10月に入ると、カテゴリー1位が花王「バブ 森の香り」から「ゆずの香り」へと入れ替わる。また「ミルキーアロマ」が順位を上げるなど、乾燥が進むにつれ、さっぱり感よりも潤いやぬくもりを感じる香りが選ばれている。入浴が単なるリフレッシュではなく、「保湿ケアの延長」として機能していることがわかる。
男性にも同様の変化が見られる。「男性用クリーム」では小林製薬「メンズケシミン クリーム」や花王「ニベアメン アクティブエイジ マルチケアクリーム」が伸長。「男性用乳液」ではマンダム「ルシード 薬用トータルケア乳液」、花王「ニベアメン アクティブエイジ バーム」など、エイジングケアやオールインワンタイプが支持を集めている。湿度50%を下回るころ、男女を問わず「保湿スイッチ」が入るようだ。ただ、冬型の気圧配置に向けてまず乾燥してくるのは太平洋側であり、人口が集中し、消費ボリュームの大きいこの地域が全体の数値を押し上げていることは追記しておきたい。
今回はPOSデータと気象記録から、空気の乾燥を正確に感じ取り、行動を変える消費者の姿が見えてきた。対策したいときに、頼れる商品があり手に取れる安心感や豊かさがこれからも続くよう願っている。
身体の保湿を目的とする「ボディローション」は、8月の1位が花王「キュレルディープモイスチャースプレー」だったが、9月には花王「ニベア スキンミルク しっとり」に1位が入れ替わり、早めの変化となった。「ボディクリーム」の変化は「ボディローション」より少し遅めのようだ。11月3日週をみてみると、第一三共「ロコベースリペア」、Hローゼ「ビーハニー 越冬クリーム」など、高保湿タイプが順位を上げ、消費者がより空気の乾燥を強く感じ始めたことがうかがえる。
入浴剤でも動きが見られる。10月に入ると、カテゴリー1位が花王「バブ 森の香り」から「ゆずの香り」へと入れ替わる。また「ミルキーアロマ」が順位を上げるなど、乾燥が進むにつれ、さっぱり感よりも潤いやぬくもりを感じる香りが選ばれている。入浴が単なるリフレッシュではなく、「保湿ケアの延長」として機能していることがわかる。
男性にも同様の変化が見られる。「男性用クリーム」では小林製薬「メンズケシミン クリーム」や花王「ニベアメン アクティブエイジ マルチケアクリーム」が伸長。「男性用乳液」ではマンダム「ルシード 薬用トータルケア乳液」、花王「ニベアメン アクティブエイジ バーム」など、エイジングケアやオールインワンタイプが支持を集めている。湿度50%を下回るころ、男女を問わず「保湿スイッチ」が入るようだ。ただ、冬型の気圧配置に向けてまず乾燥してくるのは太平洋側であり、人口が集中し、消費ボリュームの大きいこの地域が全体の数値を押し上げていることは追記しておきたい。
今回はPOSデータと気象記録から、空気の乾燥を正確に感じ取り、行動を変える消費者の姿が見えてきた。対策したいときに、頼れる商品があり手に取れる安心感や豊かさがこれからも続くよう願っている。