コラム・調査レポート

2025.07.18

家庭用品

暑すぎる夏の衛生管理

 6月からの急激な気温上昇とともに、売り上げを伸ばしたのは「冷たいもの」だけではなかった。食品や日用品の周辺を中心に、「傷ませない」「菌を増やさない」ためのアイテムにも注目が集まった。どのような商品が好調となっているか日経POSで見てみよう。
■大事なコメを虫に食われてたまるか

 「その他防虫剤」の上位10商品のうち6~7割は米用防虫剤だ。高温、高湿度の環境を好む害虫である穀象虫(コクゾウムシ)の発生が増えたのか、急激に気温が上昇した6月16日週に千人当り金額は前週の16%増となった。このカテゴリーは、2024年9月のコメ騒動以降、前年をおおむね上回る水準で推移し5月以降は前年比4割増のペース。保存への意識と高温の影響が重なり売り上げを押し上げた。
暑すぎる夏の衛生管理
■保冷機能付きお弁当グッズが好調

 新生活の始まる春が売り上げのピークとなる「お弁当袋・ファブリック類」だが、近年は夏場にも需要が伸びている。2025年は6月16日週に前年同週比55%増。保冷機能付きのサーモス「保冷ランチパック」などがけん引した。「弁当箱」でもサーモス「真空断熱スープジャー」や、保冷機能付きの同社「フレッシュランチボックス」など、温度管理を意識した製品が上位10位となっている。
暑すぎる夏の衛生管理
■台所まわりの衛生意識も高まる

 細菌の増殖を抑える「その他キッチン用消臭・除菌剤」も、6月の気温上昇とともに売り上げを伸ばした。コロナ禍で需要が急増した後、売り上げ規模は縮小しているが夏の暑さを背景に再び支持が集まっているようだ。
 「生ゴミ用脱臭・消臭剤」も同様に、夏場特有の臭いや虫の発生を防ぐ目的で需要が高まっている。
暑すぎる夏の衛生管理
暑すぎる夏の衛生管理
■洗剤だけでは太刀打ちできない汚れと戦う

 大量の汗や皮脂による汚れへの対策として、「洗濯用抗菌・消臭剤」などの洗濯助剤も売り上げを伸ばしている。このカテゴリーは2022年の41商品から、2023年には69商品に増加するなど、注目度の高まりとともに商品数が多くなっている。長年にわたり洗濯助剤として使われてきた「漂白剤」(大分類:洗濯用洗剤類)も同時に好調となっており、気温の急上昇とともに洗濯時の菌・臭い対策への関心が高まったことがうかがえる。
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暑すぎる夏の衛生管理
 猛暑は、日常のさまざまな場面に衛生上のリスクをもたらす。目に見えない脅威に消費者たちがどのように立ち向かうか、今後も注視していきたい。
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