コラム・調査レポート
2024.08.22
食品
地震・台風の8月、消費者の動きを追跡
8月は地震・台風が暮らしやレジャーに大きな影響を与えている。前半の大きなトピックだった、南海トラフ地震とその臨時情報(巨大地震注意)から、呼び掛け期間終了までの約1週間に消費者がどう動いたかを、日経POSデータを使って振り返ってみよう。以下が主な出来事だ。
食品や飲料で最も反応が目立ったのは「ペットボトル入りミネラルウオーター」であった。通常、土日祝日に売上げが上昇しやすいカテゴリーだが、スーパーのデータによると平日である8日から11日に大きな山があり、ピークを9日に付けた。水は大きな災害、特に地震の後に売り上げが急上昇する。能登半島地震の発生当日を含む1月1日~7日週 は千人当り金額が前年同期比31%増だったが、8月5日~11日週は同61%増。前週比でも63%増となった。10日以降も高水準の売れ行きが続いた。ドラッグストアでも9日にピークを付けている。
日次でデータをみると消費者の意識の変化がより鮮明になる。日向灘地震の発生した8日は2.1倍の売り上げ、地域別では中京が最も大きく伸長し前日比296%増と約4倍、近畿も3倍の伸びとなっていた。地震発生と「巨大地震注意」から店が閉まるまでの短い時間で、気象庁からの情報発信を受け備蓄へと行動を起こした姿が見てとれる。
日次でデータをみると消費者の意識の変化がより鮮明になる。日向灘地震の発生した8日は2.1倍の売り上げ、地域別では中京が最も大きく伸長し前日比296%増と約4倍、近畿も3倍の伸びとなっていた。地震発生と「巨大地震注意」から店が閉まるまでの短い時間で、気象庁からの情報発信を受け備蓄へと行動を起こした姿が見てとれる。
翌9日は神奈川県西部で発生した最大震度5弱の地震の影響もあり、前日比46%増とさらに売り上げが伸び、この期間のピークとなった。地域別でみると首都圏の千人当り金額が8日の前日比46%増から9日は前日比106%増と跳ね上がり、10日がピークとなった。南海トラフ地震とは直接関係のない地震とされたが、各々が巨大地震への切迫感を持ち備蓄への行動を起こしたことは想像に難くない。
商品ごとの売り上げを見ると、サントリー「天然水 2L 6本」など、まとめ買いの商品が特に売り上げを伸ばしている。また、水以外の食品では大分類「即席カップめん」「即席食品」が、日用品では小分類「トイレットペーパー」で売り上げが大きく動いた。しかしいずれのカテゴリーも8日より9日のほうが前日比伸び率が高い。消費者が水を最優先に確保しようとしたことがうかがえる。
16日に東日本に最接近した台風7号の影響も出た。15日に「ペットボトル入りミネラルウオーター」を含む4カテゴリーとも前日比増となり(下記グラフ)、特に「即席カップめん」「即席食品」で伸びが顕著となった。最も影響が大きいとの予報だった首都圏では「即席カップめん」が前日比39%増と、他の地域よりも大きく動いた。
商品ごとの売り上げを見ると、サントリー「天然水 2L 6本」など、まとめ買いの商品が特に売り上げを伸ばしている。また、水以外の食品では大分類「即席カップめん」「即席食品」が、日用品では小分類「トイレットペーパー」で売り上げが大きく動いた。しかしいずれのカテゴリーも8日より9日のほうが前日比伸び率が高い。消費者が水を最優先に確保しようとしたことがうかがえる。
16日に東日本に最接近した台風7号の影響も出た。15日に「ペットボトル入りミネラルウオーター」を含む4カテゴリーとも前日比増となり(下記グラフ)、特に「即席カップめん」「即席食品」で伸びが顕著となった。最も影響が大きいとの予報だった首都圏では「即席カップめん」が前日比39%増と、他の地域よりも大きく動いた。
能登半島地震を受け北陸では「ペットボトル入りミネラルウオーター」の千人当り金額が1月1日~7日の前週比は284%増であった。今回は地域別では中京が最も高い前週比138%増となり、震源とは離れていながらも南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を重く受け止めたことがうかがえる。
相次ぐ地震と台風を受け、店舗で商品の売り切れが生じる場合もあり、個々が常日ごろから必要十分な量を把握しておくことの重要さを改めて実感できた。POSデータを通じて数字に表れる、消費者の天災への備えに注視していきたい。
相次ぐ地震と台風を受け、店舗で商品の売り切れが生じる場合もあり、個々が常日ごろから必要十分な量を把握しておくことの重要さを改めて実感できた。POSデータを通じて数字に表れる、消費者の天災への備えに注視していきたい。