コラム・調査レポート
2024.06.19
家庭用品
暑くなって気になるのは‥‥‥ 【POSデータにも表れる気候の変化】
5月の最高気温は平年より高い日が31日中23日間(東京)と暑い一カ月となった。
「広島県庄原市の水田」
日経POS EYES の「ドラッグストア」で大分類「エチケット用品」を見てみると、5月は4月に引き続き前年比で増加、千人当たり金額が19,176.9円で6.8%増となっている。カテゴリー別で見ると、「制汗・デオドラント剤」は7.3%増、「汗拭きシート」は12.2%増、「足用制汗・デオドラント剤」は8.9%増と汗・におい対策の商品が好調となっていた。
特に「足用制汗・デオドラント剤」は、5月の千人当たり金額717.7円、個数は0.89個とまだ購入人数は少ないものの、直近12カ月間の前年同月比は季節を問わず伸長し続けている。好調なのは「全スーパー」でも同じで、5月の千人当たり金額は40.8円で前年同月比40.7%増と大幅に伸長している。におい対策の意識が、足にまで広がりつつあることが伺える。
この3カテゴリーについて、商品別にABCランキング(ドラッグストア)を見てみると、上位4位まではスティックタイプやパウダー、クリームなど、気になる部分に直接塗布するタイプとなっている。
昨年のランキングとカテゴリー別のグラフをみてみると、シートタイプが大きく伸びるのは7月。暑さが佳境に入るとにおいをケアしつつも、タオルやハンカチ代わりに汗を拭きとることを重視するようになっていることが伺える。
性別に目を向けてみると、5月のデータでは男性向け商品が2位と7位にランクインしており男性の汗・におい対策が定着していることが伺える。シービック「デオナチュレ」で比較すると、「ソフトストーン」の千人当たり金額が941.1円で前年同月比0.1%増、「男ソフトストーン」は490.6 円で前年同月比13%増となっている。「男」は3~4月とも2ケタ増で、足元では男性向け商品の伸び率の方が高い。このカテゴリー全体の伸長は、現在のところ男性がリードしているようだ。
また、長期トレンドを見るため「全スーパー」の数値を参考にすると、男性用が年々伸長していることがわかる。特に観測史上最も気温が高くなった昨年7月は大きく伸長しており、猛暑が予想されている2024年も売上増が見込まれる。
また、長期トレンドを見るため「全スーパー」の数値を参考にすると、男性用が年々伸長していることがわかる。特に観測史上最も気温が高くなった昨年7月は大きく伸長しており、猛暑が予想されている2024年も売上増が見込まれる。
2024年6月12日は全国のおよそ3分の1、14日は半分近くの観測地点で30度以上の真夏日を記録。平年より遅めの梅雨を迎える前に暑さが厳しさを増した。気温や湿度の変化だけではなく、時代の変化とともに移り変わる汗・匂い対策。梅雨の後の夏本番に向けどのような変化がみられるか、今後も注視していきたい。
「秩父郡皆野町金沢のあじさい」
(※「ドラッグストア」のデータは有償です)