コラム・調査レポート
2018.04.17
食品
6月に迫る米規制「トランス脂肪酸」に先手
「トランス脂肪酸」という言葉を耳にしたことがあるだろうか?
トランス脂肪酸は心臓疾患などのリスクを高めるとされており、スナック菓子やマーガリンなどに多く含まれている。米国では6月からトランス脂肪酸を多く含む油脂について、食品への添加を原則認めない規制が始まる。
日本では今のところ規制への動きはないが、日本でもマーガリンに対しネガティブなイメージが広がっていることなどを懸念し、雪印メグミルク、明治など日本企業でも先手を打った動きが活発になっている。各社の取り組みを見てみよう。
雪印メグミルクは3月から「ネオソフト」に代表される家庭用のマーガリン類とショートニングの全商品について、トランス脂肪酸を多く含む部分水素添加油脂を使用しない配合へと切り替えた。ホームページでは「リニューアルインフォメーション」や「マーガリンやショートニングについて健康への影響が気になる方へ」と題したページを掲載し、トランス脂肪酸や身体への影響などを解説している。6月からは商品パッケージに「部分水素添加油脂不使用」の文言を記載する予定だ。
明治では昨年11月に新たに「明治スプレッタブル バターの新しいおいしさ」を発売した。バターとクリームチーズ、菜種油、塩の4つの素材のみを原料としており、乳化剤、保存料、着色料、香料、食用精製加工油脂を使わない安心感をうたっている。スプレッタブルバターは米国でも伸びている市場と言われ今後が期待されている。
消費者の反応はどうなのか?日経POS情報で全国のスーパーの動向を見てみよう。
雪印メグミルクが「マーガリン・ファットスプレッド(小分類番号042001)」内で発売する「ネオソフト」など商品の販売金額合計は、昨年11月以降前年割れが続き、全面リニューアルした3月も巻き返すことができていない。リニューアルの効果はまだ実際の消費には現れてきていないようだ。
「明治スプレッタブル バターの新しいおいしさ」は、3月の「バター(分類番号041)」のランキングで8位とロングセラーの商品が上位を占める中、健闘しているものの、今年に入りシェアは3%台で止まっている。
カテゴリ全体に目を移すと「バター(分類番号041)」が前年微増の基調であるのに対し、「マーガリン・ファットスプレッド(分類番号042)」は前年割れの基調が続いており、マーガリン離れが少しずつ進んでいるのは事実のようだ。
各社の取り組みは長期を視野に入れた戦略であろう。先手を打った取り組みはいつ花開くのか。消費者の動きを注視していきたい。
トランス脂肪酸は心臓疾患などのリスクを高めるとされており、スナック菓子やマーガリンなどに多く含まれている。米国では6月からトランス脂肪酸を多く含む油脂について、食品への添加を原則認めない規制が始まる。
日本では今のところ規制への動きはないが、日本でもマーガリンに対しネガティブなイメージが広がっていることなどを懸念し、雪印メグミルク、明治など日本企業でも先手を打った動きが活発になっている。各社の取り組みを見てみよう。
雪印メグミルクは3月から「ネオソフト」に代表される家庭用のマーガリン類とショートニングの全商品について、トランス脂肪酸を多く含む部分水素添加油脂を使用しない配合へと切り替えた。ホームページでは「リニューアルインフォメーション」や「マーガリンやショートニングについて健康への影響が気になる方へ」と題したページを掲載し、トランス脂肪酸や身体への影響などを解説している。6月からは商品パッケージに「部分水素添加油脂不使用」の文言を記載する予定だ。
明治では昨年11月に新たに「明治スプレッタブル バターの新しいおいしさ」を発売した。バターとクリームチーズ、菜種油、塩の4つの素材のみを原料としており、乳化剤、保存料、着色料、香料、食用精製加工油脂を使わない安心感をうたっている。スプレッタブルバターは米国でも伸びている市場と言われ今後が期待されている。
消費者の反応はどうなのか?日経POS情報で全国のスーパーの動向を見てみよう。
雪印メグミルクが「マーガリン・ファットスプレッド(小分類番号042001)」内で発売する「ネオソフト」など商品の販売金額合計は、昨年11月以降前年割れが続き、全面リニューアルした3月も巻き返すことができていない。リニューアルの効果はまだ実際の消費には現れてきていないようだ。
「明治スプレッタブル バターの新しいおいしさ」は、3月の「バター(分類番号041)」のランキングで8位とロングセラーの商品が上位を占める中、健闘しているものの、今年に入りシェアは3%台で止まっている。
カテゴリ全体に目を移すと「バター(分類番号041)」が前年微増の基調であるのに対し、「マーガリン・ファットスプレッド(分類番号042)」は前年割れの基調が続いており、マーガリン離れが少しずつ進んでいるのは事実のようだ。
各社の取り組みは長期を視野に入れた戦略であろう。先手を打った取り組みはいつ花開くのか。消費者の動きを注視していきたい。