コラム・調査レポート

2025.03.4

食品

麺もの大好き日本 ~焼きそば編~

麺もの大好き日本 ~焼きそば編~
 ソース焼きそば、塩焼きそば、あんかけ焼きそば・・・、日本には一体何種類の焼きそばがあるのか。同じソース焼きそばでも、地域によってソースのタイプは様々だ。日経POSデータを用いて、小分類「生焼きそば」「即席カップ焼きそば」「即席袋焼きそば」「生タイプ即席袋焼きそば」の4カテゴリーを地域別に比較すると、各地域の嗜好や特徴が浮かび上がる。
麺もの大好き日本 ~焼きそば編~
 「生焼きそば」は、生のやきそば麺単独、もしくはソースなどの調味料がついたタイプの商品である。東日本では特に人気が高く、2025年1月に最も売り上げが高いのは関東外郭であった。なかでも群馬県太田市、栃木県宇都宮市は、太麺と濃厚なソースが特徴の焼きそば文化が根付いている。商品別に見てみると、群馬のマック食品からは色の濃いソースが特徴の「上州太田焼そば」、栃木のオニックスジャパンからは追いがけソースで味を調整できる「宇都宮焼そば」が上位10位内にランクインしている。
 一方、西日本では中国の売り上げが突出しているが、これは焼きそばだけでなくお好み焼きの麺としても利用されることが影響していると考えられる。
 中国、九州では山口県下関市発祥の「瓦そば」が上位にランクインしていることも興味深い。抹茶を練り込んだ麺を熱した瓦などで焼き、特製のつゆにつけて食べるという特徴的なスタイルで、蕎麦と焼きそば両方の食感が楽しめるメニューだ。この地域で上位10位内の常連である名城食品「瓦焼そば」は、ご当地グルメを家庭で手軽に楽しめると人気を集めているようだ。
麺もの大好き日本 ~焼きそば編~
 お湯を注ぐだけで手軽に食べられる「即席カップ焼きそば」は、東北で圧倒的な売り上げとなっている。2025年1月のランキングでは全国と同じく、1位は東洋水産「マルちゃん ごつ盛り ソース焼きそば」で、からしマヨネーズが付いたタイプだが、2位には同社「焼そばバゴォーン」と、東北・信越限定商品がランクインしている。この商品は北海道限定の同社「やきそば弁当」と同様に、スープの素がセットになっているのが特徴だ。平均気温が低い東北地方でも、温かいスープ付きが好まれるのかもしれない。ちなみに東北は、今回対象としている4カテゴリーの合計値でも全国トップとなっており、日本で最も焼きそばを食べている地域といえる。
麺もの大好き日本 ~焼きそば編~
 油揚げ麺と粉末または液体のソース、そして青のりや紅しょうが風味のふりかけがセットになった「即席袋焼きそば」は、西日本で人気が高く、とくに四国で支持されているようだ。四国限定の商品は無いものの、明星食品「鉄板焼そば かつお風味」が全国で唯一10位以内にランクインしている。愛媛はカツオ節を削って加工したカツオ削り節の生産量1位、高知はかつお節の生産量4位であり、この地域のかつおへの熱意が感じられて興味深い。

 「生焼きそば」が主流の東日本だが、北海道には独自の「即席袋焼きそば」文化があるようだ。2025年1月の1位はエスビー食品「ホンコンやきそば」で、かつて全国で販売されていたが、現在では宮城、大分の一部、そして北海道のみで販売されている。麺自体に味付けがされており付属のソースはない。ウスターソースをベースに、豚肉や煮干し、昆布エキス、香辛料を加えたスパイシーな味わいが特徴で、発売から60年以上の長きに渡り支持され続けている。2位の東洋水産「マルちゃん 焼そばやきっぺ」は、北海道工場で製造される地域限定の商品だが、甘めでコクのある液体ソースと、あおさと紅しょうがのふりかけで仕上げる「即席袋焼きそば」ではスタンダードなスタイルとなっている。ホンコン焼きそばよりも後に発売されたが、北海道民のソウルフードとしてこちらも長年にわたり親しまれている。

 近年、焼きそばも国際色豊かになり、日清食品「ポックンミョン 韓国風甘辛カルボ」が全国ランキング上位の常連となっているほか、中国地方ではフィリピンの「パンシットカントン」、東北地方ではインドネシア発祥の「ミーゴレン」が上位10位内にランクインし定番化しつつある。美味しいものに垣根を設けず、多様な食文化をとりいれながら広がるこのカテゴリーに今後も注目していきたい。
麺もの大好き日本 ~焼きそば編~

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