コラム・調査レポート

2022.07.22

食品

本物に追いつけ追い越せ 夢をかなえる「うにのようなビヨンドとうふ」

 日本の代替食品の歴史は長い。例えば「カニ風味かまぼこ」は1970年代初頭に登場し、本物のカニの代わりという存在を越え、カニカマという独立したジャンルを築き食卓の定番になった。相模屋のBEYOND TOFUシリーズに登場した「うにのようなビヨンドとうふ」は、「ウニよりもウニらしく」をテーマに香りと味わいを再現した「風味豆腐」。カニと同様に、人気はあるが価格面で日常的には食べにくいウニを気軽に味わえる商品だ。日経POSでみると登場月の2022年3月の来店客千人当たり販売金額20円から順調に売り上げを伸ばし、6月には109.9円で「風味豆腐」カテゴリーで2位になった。置けば売れる商品として小売り側の評価も上昇中で、カバー率は3月の17.6%から34.8%と約2倍になった。
 世界で開発が進む代替食品は、大豆ミートのような、健康を意識した商品や環境負荷に配慮した商品が中心だが、日本ではもともと、飲食店での提供が禁止された生レバーの刺身を模したこんにゃくの例のように「美味しいものを手軽に食べたい」という希望を叶えるための商品開発が多かった。「うにのようなビヨンドとうふ」は、ウニパスタへの使用や、海苔を添えて軍艦巻きにする際、本物のウニより安いので気兼ねなくたっぷりと使用することが出来る。「うにを好きなだけ食べたい」という庶民の夢をかなえる同商品は、日本の得意とする代替食品の代表選手として今後も売り上げを伸ばしていきそうだ。

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