コラム・調査レポート

2022.03.10

食品

新機能の提案で乳酸菌飲料が販売好調

 乳酸菌飲料の販売が好調だ。日経POS情報でカテゴリー全体の来店客千人当たり販売金額の推移を見ると、2021年の10月以来、5カ月連続で前年同月比2桁の伸びが続き、22年2月には6157.2円に達した。ここ5年間では最高水準にまで市場が拡大している。
 売り上げの伸長に寄与しているのが、昨年発売された新商品だ。ヤクルト本社が10月に発売した「ヤクルト Y1000」は、訪問販売専用の「ヤクルト1000」の店頭向け商品。継続して飲用することで、「ストレス緩和」や「睡眠の質向上」が期待できるという機能性表示食品だ。乳酸菌飲料の売り上げランキング1位の「ニューヤクルト」と比較すると、1ml当たりの価格は2倍以上の高価格品だが、売れ行きは上々だ。乳酸菌飲料は、腸内環境の改善を期待して飲む人が多いとみられるが、これまでにない健康機能でコロナ下での生活を強いられている消費者の心をつかんでいるようだ。
 「ヤクルト Y1000」に先駆けて、雪印メグミルクが3月に発売した「MBPドリンク」も「骨密度を高める」という機能性表示食品。発売後5週間で店頭カバー率が7割を超え、小売り側の期待の高さがうかがえる。50代以降の女性は、骨を壊す細胞の働きを抑える女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に低下し、年齢が上がるにつれて骨密度が低下し、骨粗しょう症を発症するリスクが高まる。「MBPドリンク」は、骨の健康が気になるシニア層の女性の支持を獲得していると見られ、発売以来、売り上げ上位10位内の位置をキープし続けている。乳酸菌飲料はもともと健康的なイメージの強い分野だが、新たな健康機能を訴求する新商品の登場で市場の活況が続きそうだ。

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