コラム・調査レポート

2019.01.22

食品

寒さ到来で鍋つゆ販売が復活

 昨年10月から前年割れが続いていた鍋つゆの販売が復調してきた。日経POS情報によると、全国スーパーの2018年12月の来店客千人当たり金額はカテゴリー全体で前年同月比2・8%増の8728.9円と、ここ3年間(36カ月)の最高値となった。
 鍋つゆは毎年9月には売上が伸び始める。気温が下がる10月から冬に向けて販売が急拡大し、家族や友人たちと集まる機会が多い12月に最も売れる。その後年明け2月頃までが需要期だ。
 例年より気温が高めに推移した昨年10月の来店客千人当たり金額は6233.2円と前年同月の7258.2円の約86%にとどまった。続く11月も前年同月の94%と前年割れと販売が伸び悩んだが、12月に入り本格的な寒さの到来とともに挽回してきた。野菜の価格が安定していることも販売を後押しした。
 カテゴリー全体の伸びを大幅に上回る成長を見せているのが、個包装小容量タイプの商品だ。ここ数年で上位メーカーが競って新製品を投入し売り場が活性化している。
この分野のパイオニアである味の素の「鍋キューブ」が登場したのが2012年。初の個食対応の鍋用調味料として注目を集めヒット商品となった。翌年にエバラが「プチッと鍋」で参入、16年には業界1位ミツカンも「こなべっち」を発売した。3ブランドを合わせた千人当たり金額の合計は16年の462円から574円と約24%拡大している。
 鍋料理は、調理に手間がかからず野菜をたくさん食べられると、消費者の簡便、健康志向にマッチしている。失敗なく簡単に本格的な味わいが楽しめる市販の鍋つゆを利用する人は今後も増えそう。気温や野菜価格の動向に左右されつつも、今後も成長が見込めるカテゴリーだ。

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