コラム・調査レポート

2022.04.15

食品

商品の値上げはすでに始まっていた?

 食品の価格が上昇している。値上げのニュースが頻繁に報道されるようになった。30年に及ぶデフレーションがついに終了して、インフレーションになるのか?メーカーの発表では値上げ本番はこれからだ。しかし、店頭価格はすでに上がっている実感があって、価格を定点観測する物価指数と乖離があると感じる人も多いのではないか。そこで、今回は価格そのものではなく、特売比率の変動を追ってみた。
 日経POS情報では、商品の売り上げを通常価格での売上と特売による売上の二つに分けてみることができる。少し細かい話しになるが、店舗ごと商品ごとに通常価格というデータを持っている。この通常価格からの乖離が3%を超えると特売による販売と判断して集計している。例えばA商品が198円で販売実績があった場合でも店舗により売上の区分が異なる。通常価格218円のX店では特売での販売、通常価格198円のY店では通常価格での販売となる。
商品の値上げはすでに始まっていた?
 図-1は週次データで直近1年の食品全分類合計の特売比率(特売販売金額/全販売金額)をグラフにしたものだ。じわじわと右肩下がりになっている。2021年末ごろから大きく下がり、変動も大きくなっている。特売比率が下がっているということは、特売の頻度が減り通常価格での購入が増えたということだ。つまり、買値が上がっている=価格上昇を意味する。
 大分類単位で見てみると、当然ながら分類により状況が異なる。特売比率が下降している分類もあれば、競争が激しくて上昇している分類もある。特売比率が減っている分類は、購入量が多い日配品やパン、コーヒー類、調味料などが目立つ。
 今月に入ってい急に下降している分類も多い。今後値上げが浸透し、さらに特売比率も下がるというダブルパンチが来るのだろうか。
商品の値上げはすでに始まっていた?
商品の値上げはすでに始まっていた?

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