コラム・調査レポート

2022.08.10

家庭用品

マスク市場、21年を上回る売れ行き

 マスクの売り上げが再び伸びている。第7波の影響かと思いきや、実は数カ月にわたり右肩上がりであることがPOSデータからわかる。詳しくみてみよう。
 日経の収集する全国のスーパーで「マスク」カテゴリの売り上げをみると、今年2月以降6カ月連続で前年同月比プラスが続き、第7波の影響が響いた7月には同22.1%増と大幅な伸びとなっている。
マスク市場、21年を上回る売れ行き
 業態を変え、マスクの主戦場であるドラックストアの売り上げをみると、傾向はさらに顕著で、昨年9月から11カ月連続で前年同月比2桁プラスが続いており、7月には同31.4%増となった。
 続いて「マスク」カテゴリの平均価格をみてみよう。日経収集スーパーでは前年同月増に転じた今年2月の前月から平均価格も前年プラスに転じ、その後7月まで上昇傾向にある。ドラックストアではさらに顕著で12カ月連続で前年より高い。7月の平均価格はスーパーで597.8円、ドラックストアで610.1円だ。
 売れ筋商品を昨年の7月と比べると、トップは今年前年ともに「イトウ 高機能99%カット冷感不織布マスク ふつう ホワイト 50枚」。暑さが厳しい中で少しでも涼しさを求めるマスク選びのようすがわかる。トップ10の顔ぶれをみると30枚以上の大容量商品が、昨年は6商品に対し、今年は9商品と大半を占める。昨年はなかった「医食同源 不織布マスク ふつう 65枚」といった容量のものも登場している。高付加価値化と大容量化がカテゴリの平均価格を上昇し、売り上げ増の要因となっているようだ。
 新型コロナ禍での生活が長引き、危機意識の低下や、基本的な感染防止対策の弱まりが指摘されている。しかし、少なくともマスクの売り上げからは感染防止を心がける消費行動が見えてくる。

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