コラム・調査レポート
2024.11.15
食品
「長すぎた夏・駆け足の秋」を日経POSで確かめる
9月に引き続き10月も気温は全国的にかなり高く、統計開始以降、この時期としては1位の高温となった。富士山も11月に入りやっと冠雪したが、これは平年より1カ月余り遅れとのことである。そろそろ秋を楽しみたい気持ちと、暑さのせいで現実に起こる問題との間でPOSデータにも例年とは違う動きが見られた。いずれも全スーパーで2024年10月と2023年10月の千人当たり金額で比較している。
大分類「レギュラーアイス」は13%増。「カップアイス」「アイスモナカ」など主な小分類ベースでは前年比増となっているが、「かき氷」までもがシーズン終了によるアイテム数減にも関わらず9月に続き前年比増となった。
大分類「レギュラーアイス」は13%増。「カップアイス」「アイスモナカ」など主な小分類ベースでは前年比増となっているが、「かき氷」までもがシーズン終了によるアイテム数減にも関わらず9月に続き前年比増となった。
大分類「生めん・ゆでめん」では、「生冷やし日本そば」が20%増「生冷やしうどん」は40%増、そして「生冷やし中華そば」では95%増と昨年の約2倍の売上げとなった。一方で鍋焼きうどんなどが含まれる「鍋入り生めん」は6%減と今年は出足が鈍い。
温かいメニューつながりでいえば、大分類の「鍋つゆ」は10%減で、週次でみると10月5週目(10/28~11/3)にやっと2023年10月2週目の水準に追いついた。9月と比較すれば2倍の売上げとなっており、10月から鍋物が家庭のメニューに加わったことは確かではある。小分類ベースで「寄せ鍋・和風鍋用つゆ」などが軒並み前年比減の中「カレー鍋用つゆ」のみ16%増であった。
温かいメニューつながりでいえば、大分類の「鍋つゆ」は10%減で、週次でみると10月5週目(10/28~11/3)にやっと2023年10月2週目の水準に追いついた。9月と比較すれば2倍の売上げとなっており、10月から鍋物が家庭のメニューに加わったことは確かではある。小分類ベースで「寄せ鍋・和風鍋用つゆ」などが軒並み前年比減の中「カレー鍋用つゆ」のみ16%増であった。
8月中旬くらいから店頭に並び始める秋の味覚にも影響が見られた。例年、季節限定で発売される「サツマ芋系スナック」のカルビー「おさつスナック 52g」も10月は17%減と、今年ばかりはなかなか始まらない秋に苦戦を強いられているようだ。
今年の10月は家庭用品のPOSからも夏の名残を感じ取ることができた。2024年に入ってからもともと好調だった「汗拭きシート」は、9月より売上げは下がっているものの10月は42%増と前年を大きく上回った。今年は4月の平均気温(東京)が平年比2.8度高となった影響もあり早めにシーズンインした「ゴキブリスプレー殺虫剤」は、その後も昨年比増が続き10月には46%増となった。「ハエ・蚊用殺虫剤」は7月~9月に昨年比減となっていたが、10月には増加に転じ22%増となった。さすがのハエや蚊たちも今年の夏の記録的暑さは堪えたようだ。真夏も活発な様子だったゴキブリと比べると、やや人間の感覚と近いようである。一方で「衣料用防虫剤」は20%減となった。2024年3月の平均気温が前年より3.3℃下がった影響か、衣替えに伴う春の需要期が1カ月ほど遅れたこのカテゴリーは、この秋も続いた暑さで再びずれ込んでいるようだ。
2024年は気温の影響を受けやすいカテゴリーにとって、動きの読みづらい年となった。2024年~2025年にかけての冬はラニーニャ現象の影響により昨年よりも寒くなり、日本海側では降雪量も増えるという。気が早いながらも1年を振り返りつつ冬への備えを進めていきたい。
今年の10月は家庭用品のPOSからも夏の名残を感じ取ることができた。2024年に入ってからもともと好調だった「汗拭きシート」は、9月より売上げは下がっているものの10月は42%増と前年を大きく上回った。今年は4月の平均気温(東京)が平年比2.8度高となった影響もあり早めにシーズンインした「ゴキブリスプレー殺虫剤」は、その後も昨年比増が続き10月には46%増となった。「ハエ・蚊用殺虫剤」は7月~9月に昨年比減となっていたが、10月には増加に転じ22%増となった。さすがのハエや蚊たちも今年の夏の記録的暑さは堪えたようだ。真夏も活発な様子だったゴキブリと比べると、やや人間の感覚と近いようである。一方で「衣料用防虫剤」は20%減となった。2024年3月の平均気温が前年より3.3℃下がった影響か、衣替えに伴う春の需要期が1カ月ほど遅れたこのカテゴリーは、この秋も続いた暑さで再びずれ込んでいるようだ。
2024年は気温の影響を受けやすいカテゴリーにとって、動きの読みづらい年となった。2024年~2025年にかけての冬はラニーニャ現象の影響により昨年よりも寒くなり、日本海側では降雪量も増えるという。気が早いながらも1年を振り返りつつ冬への備えを進めていきたい。