コラム・調査レポート

2019.06.21

食品

「日経POSセレクション2019」

 日本経済新聞社は、日経POSデータを基に、この1年で売上高を大きく伸ばした人気商品「日経POSセレクション2019」を5月29日に発表した。
 選ばれた商品は、消費者の需要にうまく応じたものが目立った。新聞紙面では「低糖質」「使い切り」「地方発」と3つの切り口で商品を取り上げたが、紙面スペース上、取り上げきれなかった商品にも触れてみよう。
 一つ目のキーワードは「低糖質」。健康は長い間、商品開発のキーワードとして定着している。その中でもここ1、2年は低糖質が注目されている。紙面では六甲バター「Q・B・Bチーズデザート 贅沢ナッツ 6P」、紀文食品「とうふそうめん風」を取り上げたが、プレミアム賞の日本ハム「ローストサラダチキン ハーブ」、セレクション賞を受賞した同ブランドの「プレーン」も商品パッケージに糖質0と表記し、糖質を意識した消費者に訴えかけている。サラダチキンは、手軽な健康食のイメージで人気の商品群だが、中でも同ブランド商品は他社商品よりパッケージでのアピール度が高い。2018年度の来店客千人当たり販売金額は「ハーブ」が前年同期比232.1%、「プレーン」が同64.9%と高い伸びを示している。55gの3パックと小分けにしてあるところは次のキーワードにもつながる。
 二つ目のキーワードは「使い切り」。一人世帯の増加から個食を意識した商品の売り上げが伸びている。紙面で取り上げなかった商品では、東海漬物「ぷち!浅漬 白菜漬 80g」もこの部類だろう。同社は、浅漬け事業では後発で、まだ6年目だ。浅漬けは、加工度合いが低く、大きな差別化ができないことから、「個食」という時代の流れを重要視して商品開発をしたという。2018年度の来店客千人当たり販売金額は前年同期比92.0%と高い伸びだった。
 三つ目のキーワードは「地方発」。日経商品分類の各分類で、売上1位は資金力や営業力のある大手メーカーの商品になりがちだ。発売当初から派手に宣伝して、店頭の目立つ位置に商品を置けば、それだけで多くの売り上げを確保できる。ただし、そこから売り上げを伸ばしていけるかどうかは別の話だ。日経POSセレクションは、売り上げの伸び率が選出の際のメインの指標なので、価値が評価されて、消費者の支持が広がっていけば受賞の対象となる。一般的に、新商品の売り上げ推移の多くはマーケティングの教科書に出てくる線香花火型となるが、日経POSセレクションに選ばれる特に地方発の商品は、徐々に売り上げを伸ばしていくスロースタート型が多い。

サービスに関するお問い合わせ、
御見積りやデモ、
資料請求ご希望の方はこちら